第1章
旧校舎のディアボロス
第12話 元カノ、倒します!
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「・・・・・・悪魔が教会で懺悔?」
唐突に投げつけられる言葉。
「・・・・・・タチの悪い冗談ね」
振り向くと、地下の階段からレイナーレが上がってきていた。
その体はボロボロで、息遣いも荒く、肩にはナイフが刺さっていた。
「・・・・・・ほら、見てこれ。あなたのお友達にやられたのよ・・・・・・」
レイナーレは憎悪に塗れた表情をこちらに向けていた。
明日夏がやったのか、あれ?
ていうか、明日夏は! 木場や小猫ちゃんは!
レイナーレは、肩に刺さっているナイフをおもむろに掴む。
「・・・・・・クッ・・・・・・ああぁ・・・・・・ッ!」
絶叫をあげながら、強引にナイフを引き抜き、ナイフを投げ捨てた。
「・・・・・・でも、見て」
レイナーレが肩の傷に手を当てると、淡い緑色の光が発せられ、肩の傷を塞いでいく。
「素敵でしょう? どんなに傷ついても治ってしまう。神の加護を失った私たち堕天使にとって、これは素晴らしい贈り物だわ」
そう言いながら、他の傷も治療してしまう。
「これで私の堕天使としての地位は盤石に。ああ、偉大なるアザゼルさま、シェムハザさま、お二人の力になれるの──だからこそ、許せないわ! お二人の力になれる至高の堕天使たるこの私に、あそこまで傷を負わせられ、屈辱を味合わされたあの男を! だから、あの男はただでは殺さないわ。私以上の屈辱を味合わせ、苦痛に苦しませ、この私に懺悔させてあげたところで、じっくりいたぶってから八つ裂きにしてあげるわ!」
レイナーレは明日夏に対する憎悪の感情を包み隠すことなく口にする。
レイナーレの言葉から察するに、明日夏たちは無事のようだ。ここに来ないのは、未だにあの大勢の神父たちと戦っているからだろう。
「そのためにも、あなたを利用させてもらうわ。彼はあなたのことが大事なようだからね。目の前であなたをいたぶれば、たいそう苦しむでしょうね。そのためにも、抵抗できないように、あなたの手足を引き裂いてあげるわ。もちろん、じっくりいたぶってからだけれどもね。恨むなら、彼を恨みなさい。彼が余計なことをしなければ、あなたもそんなに苦しむこともなかったでしょうにね。安心して。あの男が苦しむさまを見たら、すぐにそこで寝ているアーシアのもとへ送ってあげるわ。アーシアも、天国で寂しくならないでしょ──」
「──うるせぇよ」
「?」
俺はレイナーレの長ったらしい会話を遮る。
「・・・・・・堕天使とか、悪魔とか、そんなもん、この子には関係なかったんだ!」
「神器を宿した選ばれた者の、これは宿命よ」
「何が宿命だ! 静かに暮らすことだってできたはずだ!」
「それは無理」
「何が!?」
「|神器《
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