第二十四話 やつれていく身体その五
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「何しろ一つになれば戦いがなくなります」
「これまでは四国の間で何かと戦争が起こっていましたが」
「それがなくなるのです」
国が多くあればそれだけ相互の利益の衝突があり戦争が起こる、しかし一つになればそれが解消されてというのだ。
「ですから」
「それで、ですね」
「民達も望んでいます」
統一、それをというのだ。
「ですから」
「はい、その為にも」
「幸い諸侯達はです」
ロドネイ公は四国の諸侯達にも言及した。
「旧教の信者の中で」
「王国の息がかかっている者は」
「次々といなくなっています」
急死、失脚等でだ。このことは太子がこの国に来てから随時行ってきた謀略だ。王国の手の者はロートリンゲン家にとっても敵だからだ。
このことをロドネイ公も察していてマリーに囁く。
「おそらくですが」
「やはりそうですね」
「はい、ですが」
「統一の障壁は」
「なくなっています、商人達の往来も盛んになっていますので」
「今は」
「統一もです」
「果たすべきですね」
「まずは我が国がさらに強くなり」
国内の改革を推し進めていきだ、先々代の王から続けているそれを。
「そして北の王国のです」
「王子をですね」
「この国の後継者にされれば」
「それで、ですね」
「四国で第一と第二の連合となります」
同じ君主を持つ連合王国、それになるというのだ。
「さすれば」
「その後は」
「島国、半島も」
「共にですね」
「一つになります、それぞれの王家は」
その彼等はというと。
「元々は同じ王家ですし」
「王族か大公家にですね」
「なって頂けばです」
それでというのだ。
「よいかと」
「そうですね、爵位についても」
「それでいいかと」
「各国の諸侯もですね」
「彼等にしましても」
「爵位はそのままですね」
「それでいいと思います、むしろ諸侯は」
彼等はというと。
「これからは徐々にしましても」
「今以上に」
「王権を強めると共に」
その力をというのだ。
「弱めるべきですので」
「領地もですね」
「与えるべきではありません、むしろ土地は」
国土、それはというのだ。
「国のものとしてです」
「貴族の領地ではなく」
「全ては無理ですが」
「国の財産とですね」
「すべきです、土地はそれだけで力となります」
そこに田畑があり人が暮らし街や産業が存在する、それ故にだ。
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