カノッコ村編
負けたくないから
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る。間近で観察している少女と離れたらところから見守る三人の幼馴染み。意識したら体に力が入って失敗しそうだ・・・
(気にしない、周りの視線は気にしない)
いいところを見せようとか、失敗したらどうしようとか考えるだけ無駄。いつもと変わらないように・・・周囲に迷惑をかけない程度の力でやってみよう。
「水竜の・・・咆哮!!」
なるべく人がいないところを狙って放たれた魔法。それはちゃんと発動することも、コントロールすることもできており、近くの林に衝突して止まった。
「わぁ!!さすがシリル先輩です!!」
威力はいつもより抑えていたけど、発動時間は問題ない。ただ、これで手本になるのかどうかはわからないけどね。
「なるほど!!つまりこうやればいいんですね!?」
今の魔法で何を掴んだのかはわからない。しかし、少女は黙々と魔法陣を書き上げていく。
「え?今ので何を掴んだの?」
「さ・・・さ〜?」
様子を見守っていた二人の猫耳娘もサクラがなぜこんなにイキイキと動き出したのかさっぱりわからないでいる。それからほんの数秒程、先程とほぼ同タイムで魔法陣を書き上げたサクラ。
ビュンッ
「「「きゃあっ!!」」」
宙に浮かび上がった魔法陣。その中から現れた無数の武器がそばで見ていたウェンディたちに飛んでいき、三人は大慌てで頭を下げて回避する。
「うおっ!?大丈夫!?みんな」
三人の安否を確認すべくそばへと駆け寄っていく。顔を上げた彼女たちは傷はないようで、ホッとひと安心といったところか。
「どうでしたか!?シリル先輩!!」
「まずあんたは謝りなさいよ!!」
誉めてもらえると駆け寄ってきた少女に怒鳴り声をぶつけたシャルル。それを受けてサクラは平謝りをする。
「でもすごいね、今のシリルのでどうやってコツを掴んだの?」
プンスカしているシャルルとそれを宥めるセシリー。その二人を放っておいて、怒る様子もなくサクラの頭を撫でるウェンディ。サクラはそれに気持ち良さそうに目を閉じた後、ことの成り行きを話し出す。
「シリル先輩の魔法って基本の動きはいつも同じ気がするんですよね。さっきはとにかく早くやろうって思って形がグチャグチャでしたけど、基本の動きで速度を早くするだけで大丈夫だと思ったんです!!」
言われてみると、俺やウェンディは魔法を放つ時、入り方が違うだけで動作に大差はないと思う。ブレスなら空気を吸い込み、上体の捻りや反らしを使って魔法を放つ。他の技も基本の動作は同じで、その前後の動きがわずかに違うくらいだ。
「よく気付いたね」
「私たち気にしたことなんかなかったもんね」
やっていた本人たちも気付けないことに一度見ただけで気付いてしまう少女に感心する。もしかし
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