カノッコ村編
負けたくないから
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・それも攻撃性の物を使うなんて普通はしない。そんなことをすればこうなるのは目に見えているからだ。オババ様に怒られた俺たちは、外の広い場所でやろうとギルドから逃げるように出ていった。
「新しい魔法より、今ある魔法の速度を上げることにしようか」
「はい!!シリル先輩!!」
マーガレット祭のゲーム大会で使用した広場へとやって来た俺たち。さっきの魔法を見る限り、サクラは技の威力はそこそこあるけど、速度があまりにも遅すぎる。これでは戦闘になったら話にならないので、今日からはそれを解消するために今までの魔法をおさらいしていこうと思う。
「どれからやればいいですか?」
「簡単なのがいいけど・・・」
今までやって来た魔法陣の詳細が書いてあるページに目を通すが、どれがいいのか全然わからない。
「シェリア、どれがいいと思う?」
魔法学校を飛び級で卒業したシェリアならいいアドバイスができるかもしれない。そう考えて彼女に意見を求める。
「あれ?シェリアは?」
しかし、肝心の少女の姿がどこにも見えない。ギルドを出てくる時はいたはずなのに、いつの間にかどこかに行ってしまったようだ。
「シェリアならギルドに戻ったわよ」
「何か忘れ物でもしたのかな?」
サクラの修行の様子を見守りに来たシャルルとウェンディがシェリアの所在を教えてくれる。ギルドに戻ったのか、何か急な依頼でも来たのかな?
「もうシリルが決めちゃえばいいんだよ〜」
「そうね、一応師匠なんだし」
「一応って・・・」
ずいぶんと失礼な物言いだったが、気にしても仕方ない。なので、元々サクラがここに来る前から覚えていた魔法でトレーニングしてみることにした。
「じゃあ、早速やってみて」
「了解であります!!」
敬礼して魔法陣を書き始めるサクラ。だけど・・・
「待った待った!!」
すぐさまそれをやめさせる。
「どうしたんですか?」
不思議そうに首を傾げるサクラを見て、ため息をつき額を抑える。なんでこいつはこんな顔をしているのだろうか、もっと考えてほしいものだ。
「今日のテーマは?」
「魔法発動の速度を上げることです!!」
ちゃんと課題を把握していてひと安心。しかし、今の彼女の動きを見ているとそれを全く理解していたようには見えない。なぜなら・・・
「だったらなんでそんなゆっくり魔法陣を書いてたの?」
「え?」
今は実践の時ではない。つまり、失敗しても何も問題がないのだ。それなのに、彼女はいつもと変わらぬスピードで魔法陣を書いており、トレーニングの意味がないのである。
「ゆっくりじゃなきゃ書けないですよ?」
「いいから、スピードを意
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