暁 〜小説投稿サイト〜
FAIRY TAIL〜水の滅竜魔導士〜
カノッコ村編
負けたくないから
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寂しそうに顔をうつ向けギルドに入ってきた少女を元気付けようと、セシリーがソフィアみたいに彼女の膨らんだ胸を鷲掴みにする。

「セシリー!!やめてよ!!」
「わ〜!!シェリアが怒ったぁ!!」

茶猫娘の攻撃に怒ったシェリアが彼女を追いかけ回す。図らずもシェリアが元通りになったので、セシリーの狙いは成功したと思っていいのだろう。ただ、シェリアに早々に捕まえられてお仕置きに胸を揉み返されていたけど。

「どうせ一、二ヶ月すれば戻ってくるだろう。空腹でな」
「否定しにくいこと言うなよ」

さすがは従兄、相手の行動パターンを完全に読み切っており、もっともなことを行ってくる。むしろ今すぐ忘れ物で戻ってくるのではないのだろうか?そんな気がしてならない。

「昨日二人とも荷物の確認してたから大丈夫だと思うけど・・・」
「主に食べ物を入れてたけどね」

そもそも服とか入れたところで着替える暇もないだろうし、洗う場所もないだろう。だから生命線となる飲食物を大量に補充しておき、餓死する可能性だけはなくしたかったのだろう。

「まぁ、気にしても仕方ない。大丈夫なことを信じるだけだろうな」

心配ばかりしていたら体に悪いので、この話題からは手を引こうとその場から離れていくリオンさん。俺たちもレオンなら大丈夫だと割り切り、みんなで集まったテーブルへと座り雑談をし始める。

「シリル先輩!!今日はこの魔法を!!」
「また?」

座ったと同時にどこからか魔導書を取り出しページを捲って俺の前に出してくるサクラ。毎日一つずつ新たな魔法に手を出そうとしてるけど、今までやった魔法はちゃんと覚えているのだろうか?まずはそこを確認するべきか。

「昨日までにやった魔法は?」
「もちろんできますよ!!ほら!!」

そう言って席から飛ぶように立ち上がると、ゆっくりと魔法陣を書こうと腕を振っていく。

「ここで・・・こうやって・・・」

昨日のことを思い出しながら宙に見えない文字を書き上げていくのだが、時間がかかりすぎている。これバトルなら二、三発攻撃受けてるんじゃないの?

「こうだ!!」

そう言って手を止めると、彼女の周囲に魔法陣が出現する。その魔法陣から打ち出された光線が、ギルドの壁を撃ち抜いた。

「「「あ」」」

運良く上がり気味の弾道だったこともあり、街の方に被害はない。でも、ギルドの壁には大きな穴が開いてしまい、周りの空気が固まった。

「あんたたち・・・」

唖然としていると後ろから老けた女性の声が聞こえ、ビクッと体が一瞬震える。恐る恐る振り返ると、そこには怒りに震えるオババ様が立っていた。

「こんなところで魔法を使うんじゃないよ!!」
「「ごめんなさ〜い!!」」

ギルドの中で魔法を・・
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