デスゲーム
第一章
安らぎの時間
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「ふぅ…」
いいお湯だった。
いくら仮想世界のアバター、ポリゴンでの再現とはいえ、疲れたときの風呂はやはり格別だ。さて。
腰にタオルを巻き、風呂の扉を開ける。
「ひぇっ!?」
は?誰の声だ?
後ろを見ると、生まれたありのままの姿のユウキが立っていた。
「にゃ、にゃ、ふにゃーー!?」
迫り来る鉄拳。一瞬で俺は、打ち倒されていた。
「まったく、ユウキは…」
「ごめんって、姉ちゃん。」
「それはツバキ君が起きたら直接言いなさい。」
「うぅ……怖いよ、姉ちゃん。」
「返事は<はい>でしょう?」
「は、はい。」
うぅ、早く起きてよぉ、怒られてばっかで、ちょっと頭痛くなって来ちゃったよぉ。
「ッ…痛ぇ……俺なんかやったっけ?」
「えっと、その……おはよ、ツバキ。」
「おう。おはよ、ユウキ」
なんか裸見られたのに平常運転とか……軽く傷つくなあ
「あー……その……ごめんなユウキ。」
先に謝られちゃった。
「んーん、今回は確認もなにもしないでお風呂入ってたボクが悪いからさ。」
「いや、まぁ、その……ありがとうございますって言うかなんと言うか……」
最後の方は顔を背けられていたので聞き取ることが出来なかった。でも、姉ちゃんには聞こえてたみたい。
「ツバキさん?ちょっとお仕置きが必要みたいですね……?」
(金剛力士像再来……)
口に出さないのは、まぁ、怖いからだ。
んー、ちょっとベッドで横になろっかなー?
「姉ちゃん!お布団入ってるねー!」
「は!?お前ら、自分の宿屋にかえれよ!?」
「やーだー!もう疲れちゃったもーん!」
「じゃあ、今日はここに泊めてくださいね?」
「……はい。」
やった!お泊まりお泊まり〜♪
ボクはベッドに身を投げ、脱力する。
ああ、そういえば……こうして三人でおんなじ部屋って、久しぶりだなぁ……
ニヤニヤ、頬が緩み、緊張はほどける。
じきに深い眠りに落ちていけた。
sideout
sideツバキ
「まったく、女の子の裸を見て、ありがとうございますって、変態なんですか?まぁ、ツバキさんがそういう趣味なら別に良いんですが。」
「あぁ!誤解だって言ってるだろ?」
「では、ユウキの裸を見て劣情は湧きましたか?」
「……湧かなかった、って言ったら嘘になるけど……」
「分かっています。悪気はなかったんですよね?」
「あ、ああ。」
「まぁ、そうでなければ心のきれいな動物は寄ってきませんし、ね。」
ランはソファに丸まって寝ている小さな狼……先程のクエストで仲間となった銀狼を指差した。
ちなみに、名前は雪である。
「でも、そのクエストって未だに
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