第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#32
ETERNAL PUNISHMENTW〜Little Flower〜
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じられた。
もう何の役にも立たない。
戦闘者としてはただの子供以下よ、目の視えない狙撃手なんて。
その男もすぐ忘れるでしょうね。
“居た事すら” 気にも留めない、私だったらそうするわ。
だって、処罰する必要も、ましてや 殺す価値すらないもの」
「ぐ……ぐ……! ううぅ……ッ!」
解りきった事を敢えて繰り返し宣告するマージョリー、
その剥き身の言葉がジョンガリ・Aの心を深々と抉った。
何度も、何度も、執拗に、蹂躙するかのように。
苛酷な拷問の訓練に堪え、生爪剥がされても
呻き声一つあげなかった兵士の顔が、蒼白に打ち震えていた。
「おまえも、精々生きて苦しみなさい。私みたいに。
『死刑』 なんて軽過ぎるわ――!」
そう言った美女は腕に宿った炎を消しくるりと踵を返す。
「さようなら、役立たずの狙撃手……」
ドアに手をかけ、もう逢う事もない、
後は這い擦り回って野垂れ死ぬだけの哀れな男を、
マージョリーは憂いを以て見つめる。
静かに閉じられる扉、それは、スベテの未来と希望が閉じられる音。
光の無い永劫の闇に、男が取り残された音だった。
「う、う、う、うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉ
ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ――――――――――――――!!!!!!!!!!!!!」
死を受け入れ凍てついていた血が、一斉に熱を噴いた。
溶ける所か煮え滾って蒸発するような、凄まじい感情の濁流だった。
「赦さん! 赦さんぞ!! 『闇 蒼 の 月ッッッッ!!!!』
我が生きる目的を奪った!! 心の支えを踏み躙った貴様だけはッッ!!」
ガチャガチャと暴れ回る手の先で、無数の兵器が玩具のように散らばっていく。
「どこだ!! どこにいるッッ!? 戻ってこい!! 向かってこいぃぃぃぃ!!
オレはまだ生きているぞ!! オレのスタンドはまだ死んでいないッッ!!」
闇の中で這い擦り回る男の上で、衛星型のスタンドがゆらゆらと浮かんでいる。
その中心点に消えない疵痕を残して、護るべき主を悼むように。
「終わらぬぞ!! オレは決して終わらぬ!! いつか必ず後悔させてやるッッ!!
このオレを!! 殺し損ねた事をなあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――――――――――――――!!!!!!!!!!!!!」
止む事のない男の慟哭を背景に、マージョリーは一度も振り返らず
エントランスをくぐった。
コレが敗者の断末なのか、或いは新たなる怪物の産声なのか、
今は誰にも解らない。
ただ、 『運命』 だけがそれを識る。
連綿と続く時の中、 “未来” だけがその決着を待つ。
距離1000メ
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