第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#32
ETERNAL PUNISHMENTW〜Little Flower〜
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然さと流言の錯綜振りから
ソレが『スタンド使い』の仕業だってずっと疑ってたらしいわ。
その 「張本人」 がおまえだって、
さっきウィルスの攻撃を受けたとき確信したんだって」
「――ッ!」
息を呑むジョンガリ・Aの前で、その美女マージョリー・ドーは
たおやかに豊かな髪をかき上げる。
「おまえのスタンド、大分珍しい能力みたいね?
物質に取り憑いて効果を発揮するスタンドもあるそうだけど、
おまえみたいに “兵器そのもの” を主体とするタイプは珍しい。
ならば 『兵器』 に強い思い入れがあるはず。
同じ能力者が二人いない前提を踏まえれば、
強奪した “犯人” はおまえしかいないのよ」
語気を強めるでもなく鋭く指差すわけでもなく、
甘く諭すように紡がれる美女の言葉。
魔女に魅入られた少年の如く、ジョンガリ・Aは微動だに出来ない。
「あとは簡単。おまえの戦いの傾向上
次はより強い兵器を使ってくるのは予測できたから、
それは状況を踏まえて相手の距離関係なく殲滅できる
『大量破壊兵器』 以外考えられなかったから、
だから私の “変幻系自在法” をこのシンガポール全域に張り巡らせたのよ」
バルコニーの外で、超広範囲に延びた法儀が蒼きオーロラのように揺れている。
「 “アレ” はね、相手の罠や隠し武器を封殺する為に創られた法儀だから、
“よくくっつくの” ソフト&ウェット。
特に、頭上からただ落っこちてくるだけの爆弾なんかは余裕でね」
死よりも薄ら寒い戦慄が、刺青の刻まれた背筋を走った。
同時に転送される、スタンドの映 像。
蒼きオーロラの下、ビルの屋上で中性的な美男子がこちらを見つめていた。
分解された弾頭、ブックホルダーを肩に掛けたその手に
デーモン・コアと呼ばれる起爆中枢の球体が乗せられている。
「貴様の能力で、投下された爆弾を受け止め、
花京院のスタンドで分解したのか?
しかし何の予備知識もなくそんな事が……」
震える男の輪郭を舐るように見つめながら、美女はさらに距離を詰めた。
「知らないの? ノリアキのスタンドは、
相手の身体に潜行して自由に操るコトが出来るの。
人間みたいな複雑な構造をした生体を操れるのなら、
投下型の爆弾みたいな単純な物体を分解するのは簡単なのよ。
ダミーコードや二次起爆装置の付いてないヤツなら尚更ね」
「――ッ!」
言われてみれば確かにそうだが、考えついても普通実行するか?
否、それ以前にそんな発想に至るか?
こちらが 『核兵器』 を有しているなど相手にとっては慮外である筈、
しかしそれを「点」と「線」を結ぶように、
過去の事例までひっくり返して因果を絡ませ現実の解答に至るとは。
やはり、真に怖るべき
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