第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#32
ETERNAL PUNISHMENTW〜Little Flower〜
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た。
正に暴挙と狂乱、それ以外の何ものでもない。
しかしそのような愚挙こそが、この男にとっては 「幸福」 だった。
破滅と悪意と絶望の中で凍てついた血、
それを溶かし “熱” を与えてくれたアノ御方。
神など信じていないしこれからもそうだが、
アノ御方は自分の 『神』 だった。
ただ戦場に生き永劫に続く虚無の中、
初めて生きる 「目的」 を与えてくれた
紛う事なき 『救世主』 だった。
その方の為なら死は怖くない、アノ御方の未来への礎 となる事、
それこそが自分に与えられた大いなる 『使命』
「DIO様!! お先に失礼仕ります!!
アナタの絢爛足る永遠をッ! このジョンガリ・A!
地獄の底から祈っておりますぞッッ!!」
軍人ではあったが一度も使った事ない 「敬礼」 を、
ビシィ! と精悍なる姿でジョンガリ・Aは執った。
脳裡に過ぎる、ここ数日間だけ共にいた者達。
彼等に対する懸念がなかったわけではないが、
男は最後の最後まで己が矜持に殉じた。
(もし……生き残れたら……また……DIO様の為に……
貴様との決着も……まだだったな……フフ……)
脳裡に走る閃光、男の口元には微笑が浮かんでいた。
いつまでもいつまでも、 “浮かんでいた”
「――ッ!」
動かない筈の躯が、動いた、溶けて跡形もなくなった眼球が視界を捉えた。
思考を巡らす余裕もなく飛び出したバルコニー、
スコープ越しではなく見渡した街並み。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッ!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッッッ!!!!
頭上、空と雲の随に、不可思議な紋章と紋字を鏤めた光の 「帯」 が覆っていた。
どこまでもどこまでも、限りなく、その終わりが見えないほどに。
コンコン、背後からノックの音。
返事を待たずドアが開き、栗色の髪を流す鮮血の美女が姿を現す。
「How are you? BASTARD?」
流暢な英語でするりと中に入った美女は、
長い栗色の髪を揺らしながらゆっくりと近づいてくる。
「ダ、ダークブルー、ムーン……!」
一体どうして? それ以前に何故弾頭が爆発しない?
困惑する男の疑問に美女は妖艶な笑みを浮かべて答えた。
「おまえの浅い考えなんて、ノリアキにはお見通しって事よ。
現代社会の事には詳しくないんだけど、
細菌兵器を強奪できるなら核ミサイルを盗むのも難しくないようね?
事実は隠蔽されたらしいけど、数年前ヨーロッパで有った
国際問題をノリアキが覚えてたのよ。
情報操作の不自
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