第十章 仮想世界
第8-5話 一方通行と狂三と美九
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いつからだろうか。
外に歩くようになったのは。
友達がいるわけでもなく。
話す相手がいるわけでもなく。
何処かに出掛けるためでもなく。
歩くのが好きなわけでもなく。
それでも、外に出てしまうのは。
どうしてだろうか。
自分は何かを求めて外に出ているのだろうか。
あるいは。
誰かに会いたいと、心のどこかで思ってしまっているからだろうか。
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狂三「あらあら、こんなところで会うとは偶然って怖いですわね」
一方「……」
なんて事を考えている自分がいたらキモいな、と考えていたら突然横から声を掛けられた。
家にいても暇だったので外に散歩に出たのだが、いつものごとく特に用事があるわけでもないのでコンビニに立ち寄ったのだ。
缶コーヒーを手に取ったところで、どういうわけかコンビニにいた狂三に声を掛けられた。
一方「……」
一方通行そのまま缶コーヒーを手にとってレジに向かい、
一方「……」
お金を払ってコンビニを後にした。
狂三「…………ちょっと、待ってくださいまし!」
狂三をあたかも最初からいなかったかのように。
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狂三「酷いですわ。レディーを無視した挙句放って行くなんて」
一方「知るか」
狂三「素っ気ない態度ですわね。そんなことではいつまで経ってもモテませんわよ?」
一方「そンなもンには興味ねェな」
狂三「…………本当に男性なのか疑ってしまいますわ」
そう。一方通行は異性……というよりは人に対して殆ど興味を持たない。
それは生まれつきなのか、今までの人生が彼をそうさせたのかは分からないが事実、隣に狂三という美少女が歩いているにも関わらず全く興味を示さない。
その上肌は白く綺麗でムダ毛も殆ど無し。髪はシャンプーしか使ってないのにサラサラ。女の子が欲しいモノを全て兼ね備えたボディだ。故に本当は女の子ではないのか?と一部では声が上がっている。
しかし彼には喉仏があるしちゃんと声変わりもしている。生物学上も男と断定されているのだが……それでも本当に男なのか疑ってしまう時がある。
普通の健全な男子なら美少女を前に何かしら思うことがあるはずだ。その何かまでは言わないが。
一方「そもそもテメェはここで何してんだ?また暴れるつもりなら今すぐ叩きつぶすぞ」
狂三「そんなことありませんわよ。本当にただの気まぐれですわ。貴方と同じで」
一方「…………チッ」
狂三「ふふ、これだからあーくんをからかうのは辞められませんのよ」
一方「あァ?」
狂三
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