真・魔人-ファウスト・ツヴァイ-part4/復讐者の終幕
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のオーラに包まれ、錆び付いた金属のように崩壊し始めていた。もう肉体が限界を超えていたのか?
(あなたは、サイト君たちに舞台を持ちかけてきた…そうでしたね)
ふとムサシが、消えていくウェザリーを見ながら心の中でつぶやき始めた。
(舞台は、一人ではなく皆で一生懸命やるから、多くの人たちに感動を与えられるんです。今の彼らが…サイト君たちがそうであるように、かつての僕が『TEAM EYES』の仲間たちと共に危機を切り抜けたように…。
でもあなたは、自分一人の復讐のためにハルナちゃんを…あらゆる人を利用してきた。誰の感動も呼ばない、負の感情を振りまくだけの独り舞台を強行していた。その時点であなたは…彼らに負けていたんだ)
その言葉をたとえ口にしても、深い闇の淵まで落ちた彼女の耳に届いたのだろうか。それは、たとえエネルギーが十分な状態で、コスモスに変身することができたとしてもわからない。
「ウェザリー様…」
ファウストは闇人格のハルナとして、自分の主だった女の最期を、目を背けることなく見届けていた。
最後まで、彼女の姿が煙のように天に上りながら、跡形もなく消えるまで。
そんな彼女の肩を、ゼロがそっと触れてきた。
「サイト…」
「…さあ、帰ろうハルナ、みんなところへ」
「…うん」
深く入らないように、ただ一言優しく語りかけてきたゼロに、ファウストは…ハルナは頷く。ゼロと彼女は互いに手をつなぎとめながら点を見上げると、
一緒に空を飛んで飛び去って行った。
一度は自分たちの過ちで苦しみ、自分たちを憎み、恐れていたラ・ロシェールの街の人たちの…街を救ってくれたことへの感謝の言葉を背に受けながら。
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