真・魔人-ファウスト・ツヴァイ-part4/復讐者の終幕
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「何!?」
勝利の余韻に浸っていたファウスト・ツヴァイの表情が一変した。どういうことだ?奴らはさっきまであの場から動いていなかったはずだ。それに奴らに、あんな芸当がそもそもできたのか?
混乱するウェザリーの耳に……なぜかこの時に、聞こえてきた気がした。
協力者が求めていた虚無の少女…『ルイズ』の声を
「残念だったわね、ウェザリー。私の存在を失念しちゃったのが敗因ね」
それを呟いたときのルイズの笑みは、不敵なものだった。
手に持っている始祖の祈祷書が、彼女の持つ水のルビーと共に青く光っていた。
実は、今ゼロとファウストがツヴァイの手で首を跳ね飛ばしたのは……
ルイズの魔法によって作り出された『幻』だったのだ。
「まったく、ようやく役に立ったわ…」
彼女が新たに手に入れた、虚無の『初歩の初歩』の魔法…〈イリュージョン〉。
名前の通り、術者の記憶を再現し幻影を作り出す。祈祷書の内容によると、なんと『空を作り出す』ことも可能らしい。
それで光線技の構えを取り始めていたゼロとファウストの幻影を作り出していたのだ。ゴモラとの戦闘に気を取られていたファウスト・ツヴァイは、幻影と本物のゼロたちが入れ替わっていたことに気付けなかったのだ。
「く、くそ…まさか幻と入れ替わっていたなんて!奴らはどこにいる…!?」
周囲を見渡すファウスト・ツヴァイ。本物のゼロとファウストは…
「もう遅いぜ、座長さんよ」
ゼロの声が彼女の耳に入った。ツヴァイはすぐに振り返る。
彼らは…街の、ルイズとムサシが待っている桟橋の方角に立っていた。ゼロとファウスト、二人のウルトラマンたちが、すでに光線をいつでも発射できる準備に入っていた。
「な、しまっ…!!」
二人の姿を見て、ツヴァイはすぐに逃げようとした。だがその時、彼女に向けて上空から火球が数発飛んできた。火球を足元に打ち込まれ、ツヴァイは足を止める。頭上を見上げると、さらにもう一体の怪鳥型の怪獣が…ジュリオのリトラが羽ばたいていた。決して逃がすまいと彼女を見下ろしていた。
「この…鳥ごときがぁ!!」
これも舞台女優兼、座長ならではだろうか。彼女は本来舞台を円滑に進めるために、参加している俳優たちの状況をすぐに確認しなければならない。つまり、目先に映るものであるほど注意が向いてしまう。
それが、彼女の運命を決めた。
「いくぜ…ハルナ!」
「あぁ…任せな!…ウェザリー様、これで…最後です」
ゼロはカラータイマーにゼロスラッガーを、クルクルと手の中で回転させながら二本セットし、刃に光を灯す。そしてファウストはさっきのように、左拳に闇、右拳に光エネルギーを集め、両腕を十字にして構えを取る。さらに、ゴモラも立ち上がって角にエネルギーを集め、ゼロたちと共に止めを刺しにかかった。
〈ゼロツイン
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