真・魔人-ファウスト・ツヴァイ-part4/復讐者の終幕
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かった。
ゴモラに対し、ツヴァイは脇下にゴモラの首を挟み込んで、顎を殴り上げると、すかさずゴモラは反撃にツヴァイをしゃくりあげて押し出し、尾を振るって彼女を転がし倒す。立ち上がってきたところで、さらに彼女の顔をつかんで数発ほど殴り付け、怯ませる。
「んの…調子に乗るな…獣が!」
ツヴァイは飛び上がってゴモラの脳天にチョップを叩き込み、怯んだところでゴモラの角を両手でつかんで、そのまま引っ張り上げて引きずり倒す。そして立ち上がろうとしたゴモラを、虐待する飼い主のように乱暴に数発蹴りつけ、さらにもう一度角を右手で掴んで無理やり持ち上げ、ツヴァイはゴモラを蹴飛ばした。
「退け!」
ゴモラを適当に退かせ、ツヴァイは必殺の光線を放とうとしたゼロとファウストに向けて、鋭利な闇の刃を飛ばした。
「終わりだ!」
これで奴らの首を撥ね飛ばしてやる!ツヴァイの放った闇の刃は、まっすぐ二人に飛んでいく。しかし二人は避けず、そのまま光線技のチャージに入ったままだ。
そして…
ドガッ!
「な…!」
「嘘だろ…」
誰もが、絶望的な衝撃を受けるだけの現実を目の当たりにした。
「ウルトラマンの首がすっ飛んだアアアア!!!」
絶望のあまり、マリコルヌが叫んだ。
首を撥ね飛ばされた二人の救世主たるウルトラマンは、力なく倒れた。あまりの残酷無慈悲な現実に、誰もが自分たちの未来に絶望を抱いた。
「ハ、はは…あははははは!」
それを見てウェザリー…ファウスト・ツヴァイは狂ったように勝ち誇った高笑いを浮かべた。自分の野望…トリステインへの復讐において、最大の邪魔者を消し去った。
「これで邪魔なウルトラマンは葬った!もはや私の道を阻める者は誰もいない!
トリステインの愚かな人間ども!喜びなさい…この私の最期の舞台における役目を与えてあげる…『死亡確定脇役』という、華々しい役目をね!」
なんともたちの悪い役目を押し付けてきたのか。街の人たちは、脳裏に聞こえてきたウェザリーの残酷な宣告に戦慄を覚える。そして絶望を悟った。もう自分たちの救世主は死んだ、もはや自分たちに残されたのは、ウルトラマンと同じ姿をした黒い死の魔人に殺されるだけ。
「いい絶望ね…」
心地よさそうにウェザリーは呟く。家族や故郷を奪われ、闇の力と復讐心に身を委ねたウェザリーには、憎いトリステインに住まう人間共の絶望の叫びが甘美な美酒のように心地よく感じる。
どれ、こいつらの死体を適当に回収してやるか。そして手を組んでいるシェフィールドの手土産にでもしてやろう。憎いトリステインを滅ぼしてさえしまえば、この世界のみらいなどどうでもいい。
しかし、ツヴァイはゼロたちの首なしの死体を確認しようと視線を向けた時、目を見開いた。
ゼロとファウストの、首が落とされた体が………風と共に消え去った。
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