暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
真・魔人-ファウスト・ツヴァイ-part3/相反する力の奇跡
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くっそが!ずらかるぞ!!』
不良学生もさすがに警察のお世話になりたくなかったのか、一目散に逃げ出した。ハルナは助かった…と安堵し、サイトの方を見る。彼は足がまだ震えていた。さっき大声で出した言葉も、正直彼にとっても博打だったのだろう。だが少なくとも周囲の人たちの目を惹き付けたことで、あの不良学生たちにアリバイを利けない様にしただけでもハルナを助けるには十分だった。
『ね、ねぇ君…大丈夫…かな?』
サイトはハルナの元に来ると、そう尋ねてきた。やはり足が震えていた。寧ろあなたが大丈夫?と尋ねたくなったくらいだ。
でもハルナは、こんなに怖い思いをしてまで自分を助けてくれたサイトの方が、何よりもかっこよく映って見えていた。




「そうだ…あたしは…あの時サイトに…」
おそらくウェザリーがハルナのもう一つの人格を形成するために使った魔法の余波だろう。
操りやすいように、邪魔になる記憶を少しいじられたのかもしれない。
今になって、初めてサイトに会った日のことを思い出したハルナ。だがルイズの話はまだ終わらない。寧ろそこからだった。
『あなたは、私の心の闇。だからわかるの。あなたも、平賀君のこと…だからルイズさんから必死に平賀君を奪い返そうとした。例え平賀君から非難されても、ウェザリーさんの魔法があるからとか、それ以前に……私たちだけが平賀君の隣に立てる女の子になりたかったから…そうでしょ?』
『それは…』
闇ハルナは、言葉を詰まらせた。だが、いわずとももう一人の自分にも、恋敵となっていたルイズにも見抜かれていた。
サイトやルイズたちの知るハルナも、敵として対峙してきた闇の人格のハルナも…どちらもサイトに対して強い想いがあるのだ、と。表のハルナはそのあたりについて直接的な言い回しはしなかった。
『けど、あんたもわかるだろ…?今のあたしたちはもうファウストじゃない!それ以前に、あたしがウェザリー様に逆らうことなんてできるわけがないんだ!!』
『…ねぇ、もう一人の私。本当にそう思う?
私たちにとって、平賀君はウェザリーさんと比べて、大切な人じゃないの?
本当にウェザリーさんのほうが大事なら、平賀君を手に入れるとか言わなかったはずよ?』
『ぐ…けど、それでもあたしたちが無力なことに……』
図星を突かれて、闇ハルナはその辺りを言い返せなかった。でも、それでも今の自分たちに戦う力は残っていないことに変わりない。だが、ハルナはそれでも話を続けてきた。
『でも、それでも平賀君を助けたいと思わないの?このままだと彼は…』
それ以上は言葉を途切れさせる。視線をウルトラマンたちの方に向けると…。




「グ、アアアア…」
ウルトラマンゼロはテクターギアを外すこともできず、ファウスト・ツヴァイの猛攻に苦しめられていた。首を締め上げ
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