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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
真・魔人-ファウスト・ツヴァイ-part3/相反する力の奇跡
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は、ルイズに叩かれた頬を押さえたまま押し黙っていた。
『…ルイズさんの、言うとおりだよ…』
そのとき、ハルナの頭の中に、もう一人の…本来の彼女の声が聞こえてきた。
そして、闇に溶けて消えかけていた記憶が蘇る。



以前サイトの口から明かされた、彼と初めて会った日の記憶だった。

いつもどおり学校から帰っている日だった。突然帰り道を歩いていると、目の前に他校の不良学生が二人、自分に目をつけて声をかけてきた。髪の毛を染め上げ、ピアスを顔や耳たぶにつけていて、見た目からしてかなりの悪だ。
『君、かわいいね。ちょっとあっちでお茶しない?』
なんともありきたりで怪しい口説き文句。それにハルナも女の勘が働く方だから、この不良学生たちが下心丸出しで自分に近づいてきたことを察知した。
『い、いえ…これから用事がありますから』
『いいじゃん。そんなの』
『ちょっと話をするだけだって。なぁ?』
適当に嘘をついてこの場を切り抜けようとしたが、不良学生たちは一向にハルナから離れようとしなかった。大声を出して助けを求めようか。いや、ここは走って逃げよう。ハルナは反対側に振り向いてすぐに駆け出した。
『あ、待てやこのアマ!!』
だが、ハルナは成績優秀ではあるものの、運動は得意ではなかった。華奢な体では、鍛えられた不良学生にすぐに追いつかれてしまうのは仕方のないことだった。
『い、いや!!離してください!!』
『大人しく着いて来いって言ってんだよ!』
自分の腕を掴んできた不良学生の手を振りほどこうにも、やはり相手の方が力が強くて逃げることができなかった。
『ま、待ちやがれ!』
だがそんな時だった。サイトが現れたのは。
『その子には…ゆ、指一本触れさせねぇ!』
不良学生を指差して、必死に毅然と振舞いながらかっこいい台詞を言ってみせるサイト。だが…以前にサイトがルイズたちに話していた通り、足が震えていた。
『なんだこいつ!足ブルブルじゃねぇか!!』
『だっせぇ!!』
サイトを指差してあざ笑う不良学生。サイトも男のプライドからか、不良学生たちに対してカチンと来ていた。殴り飛ばしてやりたいとは思うが、自分は運動ができる方である戸は思うが、あんな喧嘩慣れした相手にかなうほどとは思えなかった。だから最後の手段をとった。
『おまわりさーーーん!!ここに女子高生にちょっかいを出す不良がいますよおおお!!!』
最終奥義、大声で叫ぶ。情けないことかもしれないが、一人の少女の身がかかっていたのだ。今から彼女に対して汚い手を伸ばそうとした奴らと比べ、彼のとった行動など健全だろう。その叫び声が周囲に響き、近くの人たちがいっせいにサイトたちの方に視線を寄せた。しかも偶然にも、本当におまわりさんがサイトの声に釣られてやって来た。
『やべ!お回りだ!』

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