真・魔人-ファウスト・ツヴァイ-part3/相反する力の奇跡
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手伝いのために避難誘導を開始した。さっきと違い、街の人が冷静で、ギーシュたちが貴族ということもあって、街の人は従ってくれた。
「…サイ…ト…!」
ファウスト・ツヴァイの首絞め攻撃で身動きがとれなくなったゼロの姿に、ハルナは思わず体を起こした。
たとえ闇の人格であっても、根元は高凪春奈という少女だから、サイトへの想いは根強かった。だが、今の彼女はウェザリーが作り出した人格のため、生みの親への情もあった。なにより、闇の力を失って、今ではただの二重人格の少女でしかないために手を出そうにも出せなかった。
「なにか、何かあるはずよ…」
一方でルイズは、常備していた始祖の祈祷書を取り出して必死にページを捲っていた。爆発がだめなら、何か別の魔法を探ろう。それが今の状況を打開する鍵になるかもしれないのだから。
ムサシも手持ちの変わった形の銃を取り出していた。恐らく彼の元いた世界『コスモスペース』の地球で自作したものだ。
「なにをしてるんだ…」
「見ればわかるでしょ!あの黒い巨人を…ウェザリーを止めるのよ!」
「ハルナちゃん、君はここにいて。僕はゼロを援護に向かう」
「お願い」
ルイズは、サイトを探しに向かってくれることに感謝する。
「無理だ…今のウェザリー様は町中からウルトラマンへの恨みのマイナスエネルギーを吸って無敵の力を手にしている。虚無の魔法でも…」
ゼロを助けに向かおうとする二人に、ハルナは絶望混じりの声を漏らす。サイトを手に入れたい。取り戻したい。自分に命をくれた方に報いたい。それだけだったのに…力を失い、用済みと捨てられたことで、闇の人格の彼女は生きる気力を失っていた。
バシッ!
しかし、その時だった。ルイズがハルナの顔を平手打ちした。
「な、何を…!」
何をするんだ、とハルナが言う前に、ルイズは彼女の胸ぐらを掴んで、鋭い目で睨み付けてきた。
「今、何て言ったの?無理ですって?だからどうしたって言うの?だったらこのままみんながウェザリーに殺されるのを黙って見ているつもり?
ふざけんじゃないわよ!あれをごらんなさい!」
ルイズは、街の方を指差す。
「サイトはさっき街へ、あの黒い巨人を食い止めに行ったわ。あいつは自分の意思で、故郷へ帰りたいって思いを封じて、この世界に留まって一緒に戦ってくれているわ。ウルトラマンみたいに強い力を持っているわけじゃないにもかかわらずによ?
あんたも…知っているはずよ?」
「……」
「あの黒い巨人の攻撃がサイトに届いてしまってもいいわけ!?何かできることがあるとか、考えないで腐ってるつもり!?
あんたのサイトへの想いって、その程度なの!?」
サイトをさらった元凶の癖にヌケヌケと…などと言う、減らず口を叩ける状態でもそんな立場でもない。ハルナの闇の人格
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