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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
真・魔人-ファウスト・ツヴァイ-part3/相反する力の奇跡
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そこには、自ら彼らの盾となって、ファウスト・ツヴァイの光弾の雨を背中で受け続けていたゼロの姿があった。しかも、こうしている間にもテクターギアからも発せられる闇の雷状の波動がダーククラスターと重なって、二重攻撃となって彼の体をさらに痛めつけていた。
それでもゼロは、避けようとしなかった。ひたすらテクターギアの発する邪悪な波動と、ファウスト・ツヴァイのダーククラスターを受け続けた。
この街で引き起こしてしまった悲劇の、自分たちに対する罰として…。
「な、なんで……?」
さっきまで暴徒化していた街の人の一人が、信じられないと言った様子で声を洩らす。ここに来てようやく、彼らは自分たちがしでかした行いの重さを思い知ったのだ。
ウルトラマンゼロは確かにこの街で、取り返しの付かないことをしてしまった。だが、それを悔やんだ彼は、人のために戦い続けてきたのだ。それを自分たちは…ゼロのせいで起きたあの爆発で大切なものを失ったことから、それを許せずにいた。今更正義の味方面して…と。だが、こうして自分のみを省みずに守っているゼロの姿に、街の人たちは言葉を失っていた。




ようやくダーククラスターが振り終わったそのときには、ゼロは完全にダウン寸前だった。手と膝を着いて、ただ荒い息を吐き続けている。テクターギアの下に隠れたカラータイマーも、おそらく赤く点滅している頃だ。
しかしそんなゼロに、容赦なくファウスト・ツヴァイは空中からの蹴りで蹴飛ばしてきた。
「グアァ…!!」
「やっぱりお前が守ろうとした人間は愚かね。今になって、自分たちの過ちに気づくなんて…まったく笑えてくるわ」
上空から降りてきたファウスト・ツヴァイは呆れてものも言えないといった口調で呟いた。
「貴族だけじゃない、この国の…いえ、人間そのものに守る価値なんてなかったのよ」
それと似たような言葉を、ムサシは聞いたことがあった。わだかまりを越えて親友のような繋がりを持ったかつての戦友が、コスモスとは別のウルトラマンから聞いたという言葉だ。
『人間に守る価値なんてない』
それは、人間が過ちを繰り返し平和を乱すばかりであることに絶望した言葉だ。けど…
「違うよ、ウェザリーさん。人間に守る価値がないなんて、それこそあるわけがないんだ」
ムサシはうそぶくようにウェザリーの言葉を否定した。なぜなら、彼女が言う通り人間が守る価値さえもないほどの存在なら、なぜコスモスは自分を認めてくれたのだ?どうして自分はカオスヘッダーと分かり合えたのだ。
そんなムサシの言葉に乗るように、ゼロはふらつきながら立ち上がると、ファウスト・ツヴァイ向けて口を開いた。
「…確かに人間は、間違いを犯しちまう生き物さ。俺もそうだ。それどころか自分の欲のために他人を傷つける奴もいる。けどな…俺は知っている」
顔を
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