真・魔人-ファウスト・ツヴァイ-part3/相反する力の奇跡
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安全な場所まで避難を終わらせたルイズ・ムサシは、以前アルビオンへ任務に出掛けた時に利用した、大木のような桟橋に来て、運んでいたハルナを降ろし、今の街の状況を確認した。
ここに来るまで、ムサシはルイズから、本当のファウストがウェザリーで、ハルナを影から操って己の目的を果たすための駒として働かせていたことを聞いて、当然ながら彼女のハルナへの行いに対して怒りを覚えていた。
街の避難は、ここに来るまでの間に確認したが、あまり進んでいるとは言えなかった。ゼロへの憎しみで暴徒化した人たちが避難を妨害している。
しかも…
「デエエエイイ!!」
「ダアアアアアッ!!」
ちょうど今、テクターギアを無理矢理装備されたゼロと、ファウスト・ツヴァイのクロスカウンターが炸裂した。
しかし、ゼロだけが怯み、膝をついてしまう。テクターギアのせいでパワーが落ちていたのだ。対するファウスト・ツヴァイの方はと言うと、まるでダメージを受けていない。平然としている。
「あの鎧…」
ルイズには見覚えがある。テクターギアを身に付けていた頃のゼロの姿があそこにあった。だか、鎧のない姿と身に付けた姿とでは、ゼロの強さは驚くほど違う。今の彼は、圧倒的にファウスト・ツヴァイより劣っていた。
しかも、鎧から発する邪悪な波動がゼロを苦しめる。そこをファウストが追撃し、徹底的に彼を追い詰めていった。
「あの鎧さえ破壊できれば…」
ムサシはまだエネルギー不足で変身できない状態であることに歯噛みする。
「なら、私がやれば済む話よ!」
ルイズは杖を構え、詠唱を開始する。虚無にはじめて目目覚めた時、〈爆発(エクスプロージョン)〉でゼロの鎧を破壊し、ウルトラマンとトリステイン軍の勝利に貢献した。なら今回だって!
詠唱完了と同時に、ゼロの邪魔くさい鎧に、ルイズは魔法を発動した。
「〈エクスプロージョン〉!」
瞬間、ゼロの体に白い光が発生し、爆発を引き起こした。彼の姿は砂煙に隠れた。これでゼロが元に戻れば…
しかし、ルイズの期待は裏切られた。
ゼロの体には、まだテクターギアが身に付けられたままだったのだ。
「そんな…なんでっ…!」
なぜ破壊できなかった!?あの時は確かに今の魔法でテクターギアを破壊できたのに!そう言葉に出そうとしたとき、ルイズは虚無に詳しかったデルフの話を思い出した。虚無に目覚めたばかりの頃は、精神力が生まれてからの16年分も溜まっていたのだ。虚無は通常の四大系統魔法と違い、一度使うと精神力が一気に減ってしまう。あの時と違い、精神力をチャージした期間は僅か数日程度だから、威力が足りなかったのだ。
「もう、大したことないじゃない…伝説の系統のくせに…!」
実家で気持ちを切り替え、新たに一歩踏み出したと思ったのにこれだ。活躍の場が広がらないままという状況が続き、ルイズもま
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