第三十七話 三年生なのでその二十
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「そうしたところをしっかりしないと」
「駄目ですか」
「そうよ、そんなことだとおみちを勉強しても」
それこそです。
「正しい風にはならないから」
「じゃあ教えてくれる人も必要ですね」
今度はこんなことを言ってきました。
「僕に」
「?どういうこと?」
今のも言っている意味がわかりませんでした、また首を傾げさせてしまいました。
「一体」
「ですから、僕に正しいおみちを教えてくれる」
「教義科の先生に聞いたら?」
天理高校のです、天高は天理教の学校なのでおみちのことを教えてくれる先生もいます。教義科の職員室もあります。
「そうしたら?あと教会長さんに聞いたり」
「それとですよ」
「それと?」
「一番身近で教えてくれる人ですね」
「それだったら」
訳のわからないことばかり言う子です、どういうことでしょうか。
「詰所に行ったら?」
「奥華のですか」
「毎日会えるわよ」
天高と同じおぢばにあるからです、奥華の詰所なんかはおやかたの一部で商店街からすぐ、高校からも教会本部からも近いです。
だからです、詰所に行くにもです。
「近いしね」
「はい、詰所にも行って」
私をじっと見ながら言ってきます。
「もう一人ですね」
「それ誰?」
「最近身近にいてくれる人です」
こう返事をしてきました。
「僕の」
「それ誰?」
「はい、誰でしょうか」
「わからないわよ、そんなこと言われても」
本当に誰でしょうか。クラスメイトの子でしょうか。そういえばこの子のクラスにも寮から通っている娘がいます。
「G組の子?」
「一年のですね」
「その子なの?」
「そういえば身近ですね、皆」
「その子達?女の子とか」
女子寮、東寮のです。
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