第三十三話 最悪の教師その十一
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「それ飲もうな」
「そうね、何かね」
「赤って感じだろ」
「ここで飲むとしたら」
ハウステンボスで、というのだ。
「そちらって感じね」
「肉料理とか多いからな」
「ええ、だからね」
「じゃあそっち飲もうな」
「それじゃあね」
「あと昼はな」
龍馬は昼食の話もした。
「パエリア食うか」
「パエリアね」
「それを食おうな」
こう言うのだった。
「それでその時もな」
「ワイン飲むのね」
「そこでも赤飲むか」
「二本飲むの」
「いや、三本になるかもな」
笑ったままでだ、龍馬は優花に言葉を返した。
「何か今日は飲みたいんだよ」
「どうしてなの?」
「久し振りに会えたからな」
優花、彼女を見ての言葉だ。
「本当に心配していたんだよ」
「それでなの」
「ああ、だからな」
「何かそう言われると」
優花は龍馬のその気持ちを受け取ってだ、自然と笑顔になってだ。そのうえで彼にその笑顔で言葉を返した。
「私もね」
「飲みたくなったか?」
「二人でね、姉さんとも飲んだけれど」
「俺ともなんだな」
「ええ、それじゃあ」
「まずは飲もうか」
デートではなく友人を誘う言葉だった、完全に。
「ワインをな」
「それからよね」
「色々と回ろうな」
「今日はそうしましょう」
二人で笑顔で話した、そしてだった。
優花は龍馬と共にハウステンボスを巡るのだった、まずは龍馬の言葉通りワインを飲みに向かった。
第三十三話 完
2016・8・10
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