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Blue Rose
第三十三話 最悪の教師その九

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「ちゃんとな」
「そうなのね」
「ただな」
「ただ?」
「いや、このホテルのお風呂奇麗でな」
 それでというのだ。
「しかも朝御飯食い放題の飲み放題」
「ビュッフェ方式ね」
「シャンパンも飲み放題でさ」
「朝から飲んでたの」
「ちょっとな、それでお酒抜く為に」
「朝からシャワー浴びたの」
「そうしてきたんだよ」
 湯舟には入っていないがというのだ。
「気持ちよかったぜ」
「そういえばすっきりした感じね」
「御前もな、それにな」
 龍馬は優花の今の姿を観て言った。
「本当に女の子だな」
「服装が」
「ああ」
 優花は上は白い薄い生地のシャツだった、そして下はピンクのひらひらとしたミニスカート、バッグは小さく靴もサンダルで素足だ。
 その少女らしい格好を観てだ、龍馬は言った。
「完全に女の子だな」
「そう言うの?」
「思ったからな」
 ここで龍馬は笑った、そのうえでの言葉だった。
「実際に」
「素直に」
「ああ、もう何もかもがか」
「私女の子になったわ」
「電話越しの声でわかっていたにしても」
「声もよね」
「喋り方もな」
 そちらもというのだ。
「完全に女の子だな」
「声高いでしょ」
「ソプラノか」
「ええ、そう言われたわ」
 このこともだ、優花は龍馬に話した。
「それもソプラノの中で一番高い」
「そうした声か」
「そう言われたわ」
「御前元々声が高かったからな」
「そうよね」
「ああ、それでか」
 性別が変わったからというのだ。
「女の子の声でか」
「高くなったわね」
「そうだな、ソプラノの中でも」
「一番声の高いレッジェーロっていうそうよ」
「レッジェーロ?」
「何でもリリコとかスピントとかドラマティコとかあって」
 クラシックの声の用語を出してだ、優花は龍馬に説明した。
「その中でレッジェーロはね」
「一番声域が高いソプラノか」
「それが私みたいよ」
「そうなんだな」
「何か声が高い方が背は小さくなるらしいの」
「へえ、そうなんだな」
「だから声域の低い人は背が高いらしいよ」 
 優花は龍馬にこのことも話した。
「そうらしいわ」
「そうか」
「ええ、だから今の私はね」
「小さくてか」
「声も高いのよ」
「そうなんだな、服装もな」
 龍馬は今度は優花の今の身なりの話をした、言うまでもなくひらひらとした上着とふわふわとしたミニスカートを見ての言葉だ。
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