588部分:第八十四話 黒と白その五
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第八十四話 黒と白その五
「私のその技をです」
「そうですか。それでは」
ムウもその言葉を受けた。そのうえで小宇宙をさらに高めさせ。再び攻撃を仕掛けんとしてきていた。
ムウの小宇宙は穏やかである。だがその強さはかなりのものであった。その強大さは彼を黄金聖闘士であると認識させるのに充分なものであった。
その小宇宙を起こしながら。また言ってきた。
「では私は」
「来られるのですね」
「はい、では見せましょう」
その技を放とうとする。その技は。
「エビルタスク!」
「!これは!」
無数の牙を思わせる黒い衝撃波が沸き起こりそれがムウに向かって襲って来た。さしものムウもそれを見て驚きを隠せなかった。
「無数の衝撃波が」
「さあ、これはどう防がれますか?」
技を放ったリーヴェはその無数の黒い衝撃波の中でムウに問うてきた。
「アリエス、貴方は」
「ならば!」
ここでムウも動いた。彼もまた。二人の技が再び激突するのであった。
彼等が戦っているその時エリスは八大公達を集めていた。そしてそのうえで話をするのであった。
「狂闘士の中で残っているのはだ」
「はい、残念なことに」
「我等だけです」
八大公のうち七人がエリスの前に控えている。その声には無念さもあった。
「七十二柱の同胞達は全て」
「黄金聖闘士達によって」
「それはどうとでもなることであるな」
しかしエリスはここでこう言うのであった。
「そうであろう」
「それでは」
「いよいよなのですか」
「そうじゃ。リーヴェもよくやってくれた」
エリスの顔に笑みが浮かんだ。その青い顔に凄みのある微笑みが浮かんだのである。
「これで八つの封印はじゃ」
「全て解かれるのですね」
「いよいよ」
「あとはそなた達と四騎士がじゃ」
あらたな名前も出て来た。
「無論このエリスもじゃが」
「あの方々を降臨させて」
「そしてアーレス様も」
「そうじゃ。まずはあの者達じゃ」
それが誰かは言わないがこう述べるのであった。
「あの者達をこのトラキアに呼び戻し」
「あの方々の御力でさらに」
「アーレス様もまた」
「全ては整おうとしておる」
エリスはここでまた凄みのある笑みを浮かべてみせた。そして言うのだった。
「我等がこの世を治めるべき全てがな」
「アーレス様が降臨されれば」
「まさに」
「そうじゃ。アーレス様さえおられればじゃ」
何につけてもアーレスであった。彼等にとってアーレスとはまさに絶対の存在であった。それを知らしめる言葉のやり取りであった。
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