第四幕その七
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「元気みたいね」
「ええ、この通りよ」
ビリーナは門番の兵隊さん達に明るく答えました。
「あんた達も元気みたいね」
「この通りね」
「それは何よりね、じゃあ今から王宮に戻るわ」
「それじゃあね、後」
「後?」
「五人見慣れない子供達がいるけれど」
ナターシャ達を見ての言葉です。
「お母さんの友達かな」
「トロットさん達は知ってるけれどね」
別の門番の鶏も言います。
「その子達ははじめて見るね」
「オズの国の名誉市民の子達よ」
ビリーナは兵隊さん達にすぐに答えました。
「私の友達でもあるのよ」
「そうなんだ、それじゃあ」
「この国に来ても問題ないね」
「お母さんの友達だから」
「だからね」
「そうよ、じゃあ今から入るわね」
「どうぞ」
門番の兵隊さん達はビリーナ達を笑顔で迎え入れました、それまで閉じられていた門がゆっくりと開いてです。
こうしてです、皆はビリーナに案内されてそのうえで鶏の国に入りました。柵の中のそこは小さなお家が沢山並んでいてです。
鶏達が大勢歩いています、頭をコッコと前後に動かしながら。
その鶏達はビリーナを見るとです、口々に挨拶をしました。
「お帰り、お祖母ちゃん」
「元気そうだね」
「久しぶりだね」
「今回はゆっくりしていってね」
「最近こっちにはあまりいないから」
「楽しく過ごしてね」
「ええ、そうさせてもらうわ」
ビリーナは家族の皆に笑顔で応えます、そしてです。
後ろについてくる皆にです、こう言うのでした。
「この子達は皆私の子供で孫でね」
「ひ孫なのね」
「皆そうなのね」
「私の家族よ」
誰もがというのです。
「オズの国の他の鶏達も来てね」
「結婚して国民になって」
「家族になってるんだね」
「もう皆が皆家族で」
「ビリーナの子供や孫なんだね」
「そうなのね」
「そうよ」
まさにとです、胸を張って言うビリーナでした。
「誰もがね」
「あと王宮になのね」
「夫がいるわ」
こうナターシャに答えます。
「この世で一番ハンサムで優しい鶏よ」
「随分褒めるわね」
ナターシャはビリーナのその言葉を聞いて少し驚きました。
「ビリーナがそこまで褒めるなんて」
「あら、おかしいかしら」
「いつもずけずけ言うから」
「だからよ」
「ずけずけ言うからなの」
「ありのまま言うのよ」
まさにというのです。
「だからね、夫のこともね」
「ありのまま言ってるのね」
「そうよ」
「じゃあご主人は本当に」
「ハンサムで優しいのよ」
「鶏の中で一番」
「だから私も結婚してね」
そしてというのです。
「一緒にいるのよ」
「そうなのね」
「じゃあその夫のいる王宮まで行きましょう」
「あそこね」
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