587部分:第八十四話 黒と白その四
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第八十四話 黒と白その四
「そう、全てをです」
「私もまた、ですね」
「さあ、アリエスよ」
技を放ったうえでの静かな言葉であった。
「この攻撃。どうかわされますか」
「かわすつもりはありません」
ムウは毅然として彼に言葉を返した。
「それはです」
「ないというのですね」
「そうです」
彼もまた引いてはいなかった。
「私もまた同じものを持っているのですから」
「それはあれですか」
「そうです。見るのです」
言いながら彼も技を出す姿勢に入った。身体全体をゆっくりと動かして。
「スターライトエクスティンクション!」
「その技をですね」
「この技ならばどうです!?」
技を出したうえで問うムウだった。
「貴方のそのブラックホールも」
「面白い方だ」
その技を見たリーヴェの感想はこれであった。
「私のブラックホールと同じ性質の技をここで繰り出すとは」
「目には目をです」
だからだというのである。
「そして黒には白をです」
「成程、だからですね」
「その通りです。さあ、これならどうですか?」
「そうですね。これではっきりとどちらが上かわかります」
リーヴェは今度はこう言うのであった。その顔には不敵な笑みさえあった。
「だからこそです」
「そうですか。ではどちらが上か」
「勝負です」
今白い光と黒い渦がぶつかり合った。白と黒がまず拮抗していた。
そうして互いにせめぎ合う。そうして遂に。
両者がはじけ飛んだ。白と黒、光と闇が飛び散ったかに見えた。
それが消え去ったその時にはだ。何も残ってはいなかった。完全に相殺されてしまっていたのだ。
それを見た両者は。また言った。
「そうですか。実力は」
「伯仲ということですね」
「確かに」
実力はまさに伯仲であった。どちらが劣っているということはなかった。まさに双方の実力は完全に互角の有様だったのである。
そしてそれを確かめ合ってから。まずはリーヴェが言ってきた。
「アリエスよ」
「何でしょうか」
「どうやら貴方を侮っていたようです」
そうだというのであった。
「それは謝罪します」
「侮っていたというのですか」
「そうです。何故なら」
「何故なら?」
「このブラックホールは私の技の中では大したことはないものです」
そのブラックホールはそうだったというのである。
「それを出したことをです」
「だからこそなのですか」
「それを謝罪致します」
ここでまた謝罪という言葉を述べるのだった。
「貴方はこの技で倒すのに相応しい方ではない様です」
「そうだと仰るのですね」
「私の全力を以って」
リーヴェの言葉が強いものになった。
「貴方は倒すべき方です」
「それでは」
「見せましょう
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