暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
第2章:異分子の排除
第38話「お買い物」
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まぁ、俺と千冬の仲だしなぁ...。」

 千冬の言外の要求を察し、桜は苦笑いする。

「...それと、何人かつけているようだが...。」

「...まだ混ざってなかったのか。」

 千冬が言うのは、鈴たちの事であり、どうやらまだマドカ達と合流してなかったようだ。

「まぁいいや。待ってるのもなんだし、二人もついてくるか?」

「え?...まぁ、いいですけど。」

「一人で待つのもなんだし...俺も行きます。」

 秋十も弾もついてくるようだ。
 ...最初に決めた“買い終わったら店の前に集合”の事は無意味だったようだ。





「...あれ?結局来たんだ。...それに冬姉も。」

「ふ、“冬姉”!?」

 女性陣の所へ行くと、マドカがそう声をかけてくる。
 そして、千冬に対する二人称に驚く山田先生。

「お、織斑先生!?」

「...今はプライベートだ。先生と付ける必要はない。」

「あ、はい...。」

 シャルロットが千冬が来た事に驚く。
 担任と外出先で鉢合わせしたら驚くのも無理はないだろう。

「...ん?もう決まってるんじゃないのか?」

「あー、それなんだけど...。」

 桜がマドカ達は既に水着を選び終わっているのを見て聞く。
 そこで、一人欠けているのに気づく。

「....ユーリちゃん?」

「な、なな、なんですか!?」

「...いや...水着は選び終わったのかなって。」

「あ、えと、ま、まだです!」

 試着室から出てこないユーリに、桜は声をかけるが、何かに慌てるようにユーリはどもりながら返答する。

「(んー...これはもしかして...。)」

「...あー、秋兄と違って桜さん、気づくんだ。」

 桜は鈍感な訳ではないので、ユーリが恥ずかしがっている事に気づく。

「...なんの事だ?」

「...やっぱり...。」

 そして、秋十はマドカに言われても気づけない程だった。

「ふむ....。」

「うん?あ、おい千冬...。」

 徐に千冬は試着室のカーテンを開ける。

「他の客の邪魔になる。別に、今試着している訳ではないのだろう?」

「うぅ...はい...。」

 顔を赤くしながらも千冬に引っ張り出されるユーリ。
 その手には、既に選んだらしき水着があった。

「...あれ?もう選んでるじゃないか。」

「そ、そうなんですけど...。」

 水着を持ちながらモジモジするユーリ。

「その...皆さんは似合うと言ってくれるんですけど、その...。」

「....あぁ、人前で着るのが恥ずかしいんだな?」

「....はい。」

 納得した桜に頷く
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