暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
第2章:異分子の排除
第38話「お買い物」
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ら秋十は桜に言い返す。

「.....。」

「あ...っと。弾君、すまんな。置いてけぼりになって。」

「い、いえ、なんか、秋十にも助けられちまって...。」

 申し訳なさそうにする弾。

「いいさ。今まで秋十君を助けてくれたんだし、そのお礼とでも思っておけ。」

「それは....。」

 恩着せがましく秋十を助けていた訳ではないので、弾は遠慮しようとする。

「そう思っておけ、弾。もしくは何も気にしなくていい。」

「...秋十もそういうんならそうするが...。」

 そこでふと、弾は気づく。

「...それよりも、見逃してよかったんですか?ああいう手合いは、結局また繰り返すと思うんですけど...。」

「あー、それか。まぁ、大丈夫さ。」

「え....?」

 はぐらかすように大丈夫だという桜に、弾は訝しむ。

「桜さん、まさか...。」

「まぁ、反省しないなら自業自得って事だ。」

 秋十は、傍で桜の異常っぷりを見てきたからか、何をしたのか大体察する。

「(俺と束にかかれば、情報操作ぐらい容易いからな。)」

 ちなみに、もし反省しておらず、再び同じ事を繰り返した場合だが...。
 第一に、既に桜が鞄に入れている白から女性のデータを束に送り、束のラボから監視できるようにしてある。つまり、女性の動きは既に把握されているのである。
 そしてそんな状態で同じ事をすれば...社会的にその女性は終わりに持っていかれる。

「さて、さっさと買い物を済ませよう。」

 結局放置された女性の水着を元の場所に戻し、三人は買い物を終わらせる。
 そこへ...。

「....む。」

「あ。」

 千冬と山田先生がやってくる。

「千冬と山田先生。もしかして二人も水着を?」

「まぁ、そういう所だ。」

 プライベートだからか、桜の呼び捨ても気にせずに返事をする千冬。

「そういうお二人も...。」

「俺たちだけじゃなく、他にもいますけどね。俺たちは既に買い終えました。」

 聞いてきた山田先生に秋十が水着の入った紙袋を見せる。

「...ところで、そこの方は...。」

「あ、えっと、五反田弾です!秋十の友達です!」

「あっ、篠咲君のお友達ですか!私は篠咲君のクラスの副担任の山田真耶です。」

 なぜか緊張しながら自己紹介する弾に、丁寧に自己紹介し返す山田先生。

「他の...というのは、マドカか?」

「ん?ああ。ユーリちゃんとマドカちゃん、そしてシャルロットだ。」

「なるほどな。」

 女性用水着の方を見ながら、千冬は頷く。

「...選んでほしいのか?」

「ふっ、話が早いな。」


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