プロローグ1 災厄に魅入られし少女
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深海棲艦の女性の背後で爆発が起きたのと同時に、凰香達が乗っていた船が突然爆発した。凰香の乗っていた船が攻撃されたのだ。だが、深海棲艦は誰も凰香の乗っていた船を攻撃しておらず、全員が驚愕に染まった表情でこちらを見て呆然としていた。では、誰が凰香の乗っていた船を攻撃したのか?その答えは一つしかない。
そう………………艦娘だった。
船の爆発によって凰香は海に吹き飛ばされてしまう。それと同時に、凄まじい激痛に襲われ、右肩から物凄い量の血が噴き出る。今の爆発によって、右腕が千切れてしまったのだ。
海に吹き飛ばされた凰香は、左腕だけで海面に浮いている船の残骸にしがみつき、溺れないようにする。
「痛い……痛いよぉ………!」
想像を絶する激痛に襲われながらも、凰香は泣くのを我慢する。そして、顔を上げてしまった。
凰香の眼に映ったのは、今まさに沈もうとしている船と、船と共に沈んでいく父親と母親、友達の少女とその両親だった。
「あ……あぁ………あああああああああああああああああああああっ!!」
凰香は眼を見開いて絶叫し、そして意識を失ってしまった。
………
……
…
「う……うぅ………」
意識を取り戻した凰香は、気がつけば見慣れない砂浜に倒れていた。どれくらい意識を失っていたのかはわからないのだが、かなり流されてしまったらしく、凰香は何処かの島に流れ着いてしまったようだ。だが、周囲には凰香以外には誰もおらず、凰香がしがみついていた船の残骸しかなかった。
凰香は立ち上がろうとしたが、その際に信じられないものが眼に映った。
「あ…れ?なんで、右腕が………?」
凰香の眼に映ったのは、千切れて無くなってしまったはずの右腕だった。それも全体が黒く染まり、指先が鋭く尖り、赤いオーラを纏った異形の右腕だった。
「……ヤット眼ガ覚メタノネ」
「!?」
凰香が呆然として自分の異形の右腕を見つめていると、突然背後から空間に響くような女性の声が聞こえてきた。
凰香が驚いて背後を振り向くと、そこには先ほどの深海棲艦の女性が立っていた。しかし、先ほどとは違って女性の身体は淡く光っていた。
凰香は驚きのあまり、尻もちをついてしまう。すると、深海棲艦の女性が言った。
「大丈夫?」
「は、はい、大丈夫です。………えっと、お姉さんは?」
凰香は恐る恐る聞いた。こうして深海棲艦と話をするなんて初めてだからだ。今までは『深海棲艦=怖いもの』と教えられてきたが、目の前にいる深海棲艦の女性は凰香達を助けようとしてくれた。もしかしたら、深海棲艦は全部が全部怖いものではないのかもしれない。
すると、深海棲艦の女性が言った。
「ソウ
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