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提督はBarにいる。
十人十色とはよく言うが。
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夜の間の一騒動(後々武蔵から聞き出した)は流石に報告しなかったが、一応はあった事を洗いざらい報告書に記載して送ってやった。

「じゃあ何か?起こった事を隠蔽しときゃあ良かったのか?」

「いや、誰もそういう事を言っているワケでは……」

 染嶋がどもると、傍らにいた叢雲が此方をキッと睨み付けてくる。

「ちょっとアナタねぇ、ウチの人をあまりイジメないでくれる!?この人ナィーブだから傷付き易いんだから?」

 そう言って叢雲は染嶋の頭を抱き寄せると、まるで子供をあやすように頭をナデナデし始めた。

「お〜よしよし、恐かったわねぇ……。」

 染嶋はチラリと此方を見て、すまんとでも言いたげな表情だ。前々から手紙で聞き及んではいたが、あれじゃあ過保護すぎるだろ。

 どうも染嶋の所の叢雲は、あまり実戦経験が無く、事務処理の手伝いがメインのせいか二人っきりの事が多いらしくてベタボレらしい。そのせいか、愛情表現が少し……いやだいぶ過剰らしい。ウチの叢雲はもっとツンケンしてて、俺への風当たりが強かったと記憶しているが…やはり、過ごす環境や人付き合いの仕方でこんなにも同じ艦娘でも差が生まれるんだな、と改めて感心した。

「しっかし、タイムスリップなぁ。」

 荒木は腕組みをして、首を捻っている。やはり技術者の血が騒ぐのか、手帳を取り出して何やら訳の解らない数式を書きながらブツブツと言い始めた。その隣では、

「提督ぅ……、提督ぅ?大和のお声、聞こえてますか〜?」

 荒木の嫁艦の大和が、男前ジョッキ(容量1リットル)を片手にテーブルに突っ伏して右手の人差し指でテーブルをグリグリとやっている。どうやら荒木のトコの大和は嫉妬深く、かまってちゃんらしいな。しかし、ウチの酒と大和もこんな感じになるのだろうか?今度しこたま飲ませてみようかとも思ったが、ウチが大損害を被りそうなので止める事にした。

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