EX回18 鎮守府の秋祭り〜エンディング〜
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違和感だらけ。そしてあの新米君の顔。忘れようもない、艦娘の運用を学ぼうと読み耽った美保鎮守府の戦闘記録に載っていた、若かりし頃の提督その人の顔だ。だからこそ、大挺の認識コードも一致しなかったし、装備も錬度も数段過去の物だったのだ。(まぁ、それをフルボッコにしたのは我ながら大人げないとは思うが)だからこそ、「病人」として潜り込んできた女将校を川内に尾行させたし、余計なちょっかいを出そうとした青葉を川内に気絶させるように指示したのも俺だ。
「まぁ、軍艦の魂が人の形して生きてる時代だ。タイムスリップ位起きても今更驚かねぇさ。」
誰に言うでもない、俺はそう呟いた。さ〜てと、後片付けと大本営に出す報告書、書かねぇとな〜。
「それと……川内。」
「ん?どしたの提督。」
「青葉を離してやれ。もうオチてるから。」
「へっ?」
見ると、青葉は白目を剥いて顔面蒼白になっている。
「やっばい、救護班、救護班〜?」
はぁ。朝から騒がしいなぁ、この鎮守府は。
《報告書》
先頃、当鎮守府で行われた秋祭りに於いては、多少のトラブルは発生した物の、その進行を大きく妨げるような大きな問題は起こらずに滞りなくその日程を終了。
尚、秋祭り開催中に所属不明の遊軍機(二式大挺)の乗員を救助し、一泊させるも然したる問題は見受けられず。翌朝早くに当鎮守府の領海を離脱。つきましては、その所属不明機の目的地・所属・任務目的を軍令部に開示願う物である。遊軍に扮したスパイ活動の可能性も否定できない為、切に願う物である。
以上
「まぁ、こんなモンか?ひっひっひ、軍令部の奴等泡食った騒ぎになるぞコイツぁ。」
そんな意地の悪い笑みを浮かべていると、横から冷たい視線が刺さる。
「提督、悪ふざけはやめてください。鎮守府の不利益になります。」
「硬っ苦しいなぁ加賀は。これは俺の当然の権利なの。解る?」
実際最初はスパイ活動も本気で疑ったのだ。幾ら遊軍とはいえ所属不明機が着陸を求めてくれば怪しむのが当然だ。まぁ、同期の奴をからかう意味合いの方が強いがなw
まぁ、こんなバカな事が出来る位には平和って事さ。それもこれも、過去からの積み重ねがあってこそ。
「期待してるぜ?『美保の回り道太郎提督』さんよ。」
俺は窓の外の青空を眺めながら、そう、呟いた。
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