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提督はBarにいる。
EX回16 鎮守府の秋祭り〜会食編B〜
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て、まずはつみれ作りから。フードプロセッサーに水気を拭き取ったイワシ、卵黄、塩、粉山椒を入れ、粗いミンチ状になるまで回す。終わったらボウルに移し、おろし生姜を入れて更に混ぜる。

「そういえば、つくねとつみれはどう違うのでしょうか?」

そう尋ねてきたのは、ウチの鎮守府の青葉だった。普段料理に興味が無さそうな青葉も、やはり女子なんだな。

「つみれは練り上げた生地を煮汁にそのまま入れて煮るのがつみれだ。摘み入れる、というのが語源らしい。つくねは手でこねて丸く成形して揚げたり焼いたりする料理の総称だな。“こねる、丸める”といったのと同じ意味の言葉捏(つく)ねるが語源だな、確か。」

「へー!博学ですねぇ!」

 まぁ、俺は気になると調べてその疑問を解決しないと気が済まない質だからな。まぁ、今一番気になっているのは目の前にいるこの新米を名乗る提督。どうにも何かを隠しているような気がしてならない。恐らく青葉も、その辺を嗅ぎ付けてついてきたのだろう。やはりそういう嗅覚は侮れない。まぁ、無理に聞き出そうとしてもそこは軍人、口は割らないだろう。

「提督さん?どうされました?」

 祥高さんがいぶかしむような声をかけてきた。どうやら手が止まっていたらしい。ごめんごめんと謝りつつ、調理を再開する。つみれはできたから次は野菜の準備。牛蒡はピーラーでささがきにしてアク抜きに酢水にさらす。大根は3mmの厚さで銀杏切り、人参も3mmの厚さで半月切りで。

 鍋に煮干し出汁を煮立たせて、そこに2本のスプーンを使ってつみれ生地を団子状にして鍋に加えていく。ポイントは、つみれの表面が滑らかになるまでしっかりと成形する事。表面が毛羽立った状態で煮ると煮崩れやすくなってしまうので、繰り返しスプーンで成形してから鍋に入れる事。つみれ生地を入れて再び煮立ってきたら、先程刻んだ野菜類を入れて7〜8分、アクを取りながら煮ていく。

 野菜にも火が通ったら一旦火を止め、味噌を溶き入れる。味が決まったら器によそい、仕上げに黒胡椒をガリガリと振っていく。

「お味噌汁に黒胡椒ですか?」

「青ネギ散らしたり刻み生姜でも良いんだけどね。ちょっと飲み比べてみてよ。」

 まずは胡椒なしの汁。次に胡椒を振った汁を、それぞれ祥高さんに味見してもらう。

「やはり胡椒独特の辛味がアクセントになるから、あった方が美味しいですね。」

「でしょう?だから、仕上げに黒胡椒。」

 その時、炊飯器が炊き上がった事を知らせるアラームを鳴らす。ちょうどいい、つみれ汁と逸書に出そうか。

「お待たせしました、『カボチャとベーコンのおかず炊き込み』と、『イワシのつみれ汁』です。」

 いただきま〜す、と一斉に声が上がる。新米君のトコの赤城は炊飯釜から直接食べてい
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