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歌集「春雪花」
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 空よどみ

  心もよどみ

    君を待つ

 冬来たれるも

   逢ふはなかりき



 空は厚い雲でよどみ…心は君に会えない苦しみでよどんで…。

 それでも…こうして君を待ち続けてしまうのは、なぜだろう…。


 いつも通り…こうして冬はやって来た…それでも、君に会うことはないのに…。



 明け切らぬ

  暁虚し

    冬空の

 時雨に濡れし

     心侘しき



 うっすらと明るくなるかならないか…。

 冬の夜明けは遅く…雲が掛かればなお、世界は長く夜に支配され続ける…。

 外は降ったり晴れたりと…日が射す気配はない…。

 そんな雨に心まで濡れてしまったように…私は彼のことを考え、寂しさに堪えられなくなりそうになった…。


 幸せとは…なんなのだろう…。





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