暁 〜小説投稿サイト〜
歌集「春雪花」
285

[8]前話 [2]次話



 明け暮れて

  君ぞなかりき

   この里に

 寒き風吹く

    冬となりけり



 ずっと彼のことばかり考え…ため息ばかり…。

 時は絶え間なく進み…ふと気付けば風は冷たく、この街にも再び冬がやって来たと実感する…。

 待つ意味もなく待つ…これほど無駄なこともあるまい…。



 闇ぞ降る

  想いぞ深く

    沈むれば

 痛みし恋も

   忘るものかな



 真夜中を回れば、辺りはしんと静まり返る…。

 あれだけ騒がしかった虫達も影を潜め、のっぺりとした闇だけが覆う…。

 こんな闇へと彼への想いを沈めたのなら…この辛い恋も忘れられるのだろう…。


 この冷たい闇の中へ…消せるものなら…。





[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ