第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#31
ETERNAL PUNISHMENTV〜Distortion Despair〜
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如の造反に
マージョリーは放心し体勢を崩した巨体がビル屋上から落下していく。
ズガァッ!、と獣の形状に陥没する道路、通常有り得ない、
二人の優れた遣い手がいながら建て直しも受け身も執れなかった
落下への対応。
「つつ、 ノリアキ大丈夫?」
不可解とは想いつつもトーガの中で呼び掛けた少年は、
「な、なん、て……本当に、なんて、コトを……」
恐怖と絶望に苛まれた表情で、細い輪郭を震わせていた。
「どうしたの? ノリアキ? 頭でも打った?」
トーガの防御力上有り得ないのだが、
心配する美女とは眼を合わせず少年は首を振った。
「ヤツの “狙い” が、解った……でも、どうしろというんだ……?
こんな……『こんなモノ』……ッ! もう “どうしようもないッ!” 」
戦況は追い詰めている筈、なのにもう “スベテが終わった後” のような声。
事態を飲み込めない美女の周囲で、街路樹の葉が一斉に散った。
「――ッ!?」
銃弾も榴弾も飛んできてない、仮にそうだとしても不自然な光景の中
拍車を掛けるようにたくさんの鳥の死骸がボトボトと落ちてくる。
此処に至ってようやくマージョリーも確信、
只ならぬ事態が自分達に差し迫っている、
否、もう終わっているのか?
羽毛ごとグズグズに溶けた肉がシューシューと音を立てて蒸発していった。
目玉と内臓を僅かに残した骨となるまで十秒かからなかった。
濃硫酸を頭からブッかけてもこうはならない、
そして路面には微かな罅すら入っていない。
無機物ではなく生物を、そう、あくまで 『生物』 を。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッッッ!!!!
おそるおそる見回した光景、
周囲の人間が “同じように” 溶け、爛れ、崩れ、
瘴気と成って蒸発し骨に成っていた。
封絶の中なので逃げる事も藻掻く事も叶わず、
表情をなくしたままただ生命のみが毀れていく。
トーガ越しにも漂う嘔吐蝕む異臭、
もうこうなっては、どうしようもない、
トーチを使っても修復出来ない。
そして、自分達も同じように。
そう、スベテは終わっていた。
敵は、本気になんかなってなかった。
「ククク……」
スコープ越し、その範囲外でも縦横無尽に拡がっている地獄絵図に、
闇の鷹は満足そうな微笑を浮かべた。
その歓喜は、勝利以外の別の 「確信」 によるものだった。
紅世の徒、更にはスタンド使いさえ、アノ御方には必要ない。
もっと直接的で確固足る力、リアルな 『兵器』 こそがアノ御方の力になる。
そして
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