第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#31
ETERNAL PUNISHMENTV〜Distortion Despair〜
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ようやく変化が、
相手の出方、距離の詰め方如何によってはこちらも反撃を加えられる。
「……静か、ね。接近されたらお終いなんだから
銃でもなんでも乱射してきそうなものだけど」
孔だらけの街並みを背景にそれとは対照的な前方を美女が見据える。
「そうしないコトで逆に誘ってるんでしょう。
どうみても好機ですから、このようにッ!」
花京院の手に光が集まった光が瞬時に硬質な結晶となり、
その煌めく礫が放物線を描いて投げられる。
意外に健腕そして精巧、20、30、40、50、その半ばも織り交ぜて
地に触れた結晶、と同時にアスファルトが捲れ上がって爆音が響き、
飛散した残骸と鉄片が街灯や樹々に突き刺さる。
「地雷、対人用のも混ざってる。
榴弾で攻撃しながらこんなのも一緒にバラ撒いてたのね」
「あのスタンドの下部に格納庫のようなものが設置されてました。
おそらくそれで運搬したのでしょう。
センサー付きの最新型なら踏まなくても自由な距離で爆発させられます」
以前のマージョリーなら、好機とみるやリスクを怖れず突っ込んでいた筈だが
花京院に感化されたのか戒心をより強める思考形態へと移行していた。
意外かもしれないがこの精神の柔軟さは、
シャナやヴィルヘルミナよりマージョリーの方が数段優れている。
頑なさは 「公正」 を欠き真のパワーには繋がっていかない。
そしてこの柔軟な思考こそ、スタンドバトルに於いて
最も重要なファクターである事は間違いない。
亀の甲より年の功、 「人間」 としての期間が長く
尚かつ錯雑な関係模様に揉まれた美女には、
他のフレイムヘイズには無い精神の練熟さが有った。
「ここからは、ビルの屋上だけを通っていきましょう。
幾らなんでもそんな所にまで仕掛けてないでしょうし、
雲が近いから能力による狙撃はすぐ解るわ」
「了解です。では二手に分かれて……」
そう言って右方向に足を向ける花京院の学生服をマージョリーが引っ張った。
「あの、ミス・マージョリー?」
言うより速く足下から蒼き炎が噴き上がり二人を包む、
そして3体分の顕力に加え各部機能強化を施された特殊炎獣が出現する。
「このまま、一気に敵の牙城まで突っ込みましょう。
ライフルは勿論、榴弾も2,3発なら直撃喰らっても持つわ、コレなら」
「あ、あの、仰る事は解るんですが、
そうやって添われると非常に動き難いのですが……」
「大丈夫、操作は私がやるから。
ノリアキはハイエロファントで不測に備えて」
「しかしならば二体に分かれた方が、う、うわッ!」
らしくない頓狂な美男子の声を残し炎獣が路面を砕いて飛翔する。
今や遠隔とは言えなくなった距離で、スコープがソレを追尾する。
「……」
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