第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#31
ETERNAL PUNISHMENTV〜Distortion Despair〜
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が閉じられる。
「つまり、仮にこの都市全域をフッ飛ばす位の極大焔儀を放ったとしても、
アレには通用しないってコト? 攻撃が命中する遙か前にその射程外へ
気流で飛ばされていく」
理解が早くて助かる、美女の聡明さに口元が緩むのを抑え美男子は見解を捕捉する。
「そう、だからスタンドを倒すのは諦めた方が良さそうです。
弱点が解らないしまたその時間もない。
此処はやはり 「本体」 を直接叩くコトに狙いを絞りましょう。
当たり前ですが明らかに接近をイヤがってます」
「それ、どういう?」
言うが速いか即座にハイエロファントが
背後にエメラルド・スプラッシュを射出する。
遙か後方で轟音、同時に発生する爆炎より速く気流を裂く衝撃波が
二人を前方へと押し流す。
(なんて、周到な……)
逆風に栗色の髪をはためかせながら、マージョリーは花京院の卓越した
知性に眼を瞠っていた。
逆噴射による降下の加速、ここまでは誰でも考えつくが相手への追撃対策、
更には発生する爆発エネルギーの利用法までこの少年は視野に入れていた。
言葉にすれば簡単だがその思考速度とタイミングが実に絶妙で
結果として傾きかけた戦勢のバランスをあっという間に立て直した。
機転が利くとか賢明であるとかそういうレベルではない、
時間的にも状況的にも論理で到達出来るような領域ではない。
歴戦の勘というか神懸っているというか、
兎に角凄惨な死地の直中にいるというのに胸の高鳴りが収まらない。
躰を包む芳香も中性的な風貌も、腰に回わされた手つきの繊細さも
みな優美なものであったが、この窮地に於ける毅然とした態度は
否応なくマージョリーに 『男』 を感じさせた。
背に回した腕に力を込め、即座に迫ってくる地表に苛立ちを覚えながらも
美女は言われる迄もなくするべき手順を迅速に行う。
パチンッと指先を弾くだけで、散った蒼い火花が消えると同時に
トーガ6体分の密度を持った大きな炎獣の腹が救命クッションのように
落下衝撃を分散吸収する。
何度かバウンドしたのち孔だらけの路上に寄り添い立った二人に
寝っ転がったトーガがフゥと満足げに両眼を細め、
元の力に還元されマージョリーの裡に戻っていった。
上空からの降下とはいえ斜めの軌道で着地したので爆撃逆噴射の後押しも含めて
ジョンガリ・Aとの距離は大幅に縮まった。
残り300、攻撃能力の汎用性が高いマージョリーがいる事を踏まえれば
コレは相手の喉笛にリーチがかかったと視てほぼ間違いない。
しかしそれもこれもみな花京院の的確な判断があってのコト、
マージョリーのみでは上空のスタンドにマルコシアス諸共躍起になって
未だ悪戦苦闘していた公算が高い。
ともあれ防戦一方だった戦局に
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