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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二百十七話 内乱終結後(その1)
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も貴族ではブラウンシュバイク公、リッテンハイム侯、フォルゲン伯爵、ヘルダー子爵、ハイルマン子爵、ヴァルデック男爵が死んだ。軍人ではオフレッサー、ヴァルテンベルク、クライスト、シュターデンが死んでいる。そしてラムスドルフ、彼を忘れてはいけない。今回の内乱の犠牲者だ。

コルヴィッツ子爵、ホージンガー男爵、カルナップ男爵は同盟に亡命した。そしてグライフス、彼があえて汚名を被った事はフェルナー達から聞いた。出来れば降伏して欲しかった。彼なら良い相談相手になってくれただろう。彼の事を考えると胸が痛む。

フェザーンに亡命した人間もいる。ランズベルク伯、シャイド男爵だ。ランズベルク伯は戦線崩壊した直後、戦場を脱出した。シャイド男爵はガイエスブルクの決戦の前に密かに要塞を脱出しフェザーンに亡命したそうだ。レムシャイド伯から彼らがフェザーンにいると連絡が有った。

俺が居なくなった人間達の事を考えているとリヒテンラーデ侯が話しかけてきた。
「ヴァレンシュタイン、同盟が捕虜交換を進めたいと言ってきた」
「その事は先程エーレンベルク元帥、シュタインホフ元帥より聞いています。問題は無いと思いますが?」
「うむ、では話を進めるとするかの。レムシャイド伯に伝えよう」
捕虜交換か、実務は軍が主導になる。調印式はイゼルローンだな、ヤンと会えるだろう、楽しみだ。

「ところでの、同盟から苦情が有った」
「苦情、と言いますと?」
リヒテンラーデ侯が微かに苦笑した。あまり深刻な問題ではないらしい。

「ルパート・ケッセルリンクの身柄を同盟に渡して欲しいと」
「……ばれましたか」
「うむ」
今度はお互い顔を見合わせて苦笑した。どうやら悪戯がばれたらしい。

「身柄を渡せぬなら、アドリアン・ルビンスキーの捕縛、或いは捕殺とその身柄の帝国への引渡しは難しいと」
「なるほど」

ルビンスキーがルパート・ケッセルリンクを助けるために動く事は無い。だが同盟はその可能性が有ると考えたか……。或いはそういう事にしてルビンスキーの引渡しを撤退の条件から外そうということか。

「帝国は既にルビンスキーの身柄を押さえているのではないかとも言っていたな。捕らえていてその事実を隠しているのではないかと。どうする、向こうに渡すか?」
からかう様な表情だ。爺さん、相変わらず人が悪いな。

「渡してもルビンスキーを捕らえられるとは思いませんが」
「ふむ、意味が無いか」
「ルビンスキーの捕縛に関してはそうです」
「しかし捕らえられぬとなれば連中をフェザーンに引き止める事は出来るの」
「はい」

お互い相手の顔を見た。リヒテンラーデ侯の顔に先程までのからかう様な表情はもう無い。どうやらあまり深刻な問題ではないという最初の予想は外れたようだ。しばらくそのまま見
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