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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二百十七話 内乱終結後(その1)
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私の大声の所為か、それともルパート・ケッセルリンクがルビンスキーの息子だという事実にだろうか。
ルパート・ケッセルリンク、その男はルビンスキーが若い頃にある女性に産ませた息子なのだという。もちろん認知もしていない。フェザーンの自治領主府でも親子らしいそぶりは無かったという。そのため彼らが親子だと言う事は誰も知らなかったらしい。
「レムシャイド伯がその男をオーディンの弁務官事務所に欲しいと名指ししたそうだ。オーディン駐在のボルテック弁務官の願いだと言ってな」
「オリベイラは何の疑問も持たなかったのか?」
「その時はな。レムシャイド伯は新任の自治領主マルティン・ペイワードの地位を安定させるためにボルテックをオーディンから動かさないと言ったそうだ。それで自分達に協力的だと安心した」
「白狐の得意な手だ! 味方面していつの間にかポイントを稼いでいる」
吐き捨てるよう口調になった。だが感情的になっているとは思わない、トリューニヒトも頷いている。
「オリベイラ弁務官が後日気になって念のため調べたそうだ。それで分かった」
「話にならんな、後で分かってなんになる。君が帝国は既にルビンスキーの身柄を押さえていると言うのはそれが理由か」
「或いは何処に潜んでいるか見当をつけているか……」
トリューニヒトは忌々しそうな表情のままだ。ルパート・ケッセルリンクを手掛かりにルビンスキーの行方が掴めたかも知れない、その思いがあるのだろう。そして既に帝国はルビンスキーの身柄を押さえているのではないかという不安も。
「ルビンスキー無しでもフェザーンを返還する。それを考えるべきだろうな」
私の言葉にトリューニヒトが頷いた。もっとも言うは容易く実行は難しい。フェザーン返還はやはり難問だ。話を変えるべきだろう、この話はそう簡単に解決できるものではない。
「それより亡命者が大量に同盟に押し寄せてきたそうだが」
「ああ、戦艦二十隻。軍人、貴族、それに従う者、合わせて約二千人といったところだ。今ハイネセンに向かっている」
「では受け入れるのだな」
私の問いかけにトリューニヒトは頷いた。同盟内部には今回の亡命者を受け入れるべきではないという意見がある。今後の帝国との関係改善のためだ。そして同じように彼らを受け入れるべきだという意見もある。これまで亡命者を受け入れて来た、今回の亡命者を受け入れぬとは理が通らない……。
「亡命は認める、但し同盟政府の許可なしに反帝国活動はさせない」
「安住の地は与えるが勝手な真似はするな、そういうことか」
「彼らから帝国の内情がかなり分かるだろう、正確な情報が無くては強大な帝国とは渡りあえん。リスクはあるが受け入れようと思う」
「トリューニヒト、軍は何と言っている?」
「軍も受け入れには賛成だ。
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