暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
OVA
〜暗躍と進撃の円舞〜
閣下のお散歩
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外し、ヴォルティスはもと来た道を軽く見る。

仕方がないとはいえ、騒ぎを起こした一所にいすぎた。ボチボチ人並みの変化を悟った追手(部下)が動き出しているはずだ。普通ならば、急いでこの辺りを離れた方がいいと思うだろうが、すでにウィル達がこの近辺にいた場合、その行動はいらない衆目を無駄に呼び寄せる可能性がある。

結局、人を騙せる一番の嘘は無表情のポーカーフェイスよりもフレンドリーな笑顔という訳だ。

「……ま、いっか。んで、裏道通ってイグシティ抜けたいっていうのね」

「良いのか?頼んでおいてなんだが、卿にも卿の用事があるのではないか?」

ほとぼりを冷ますという意味では、その用事が終わるまで待つというのもやぶさかではないのだが。

そう訊き返す大男に、ロベリアと名乗ったネコミミニット帽少女は片目を瞑って肩をすくめた。

「あたしの用っていっても、ただの迷子捜しだし。しかも、他にも人員いるしね」

「そうなのか。ならば頼むとしよう」

「はいはい」

ひらひらと手を振りながら先行する少女の揺れる尻尾の先端を追いかけるヴォルティス。

だが、その直前。

「…………む?」

前方の人込みが割れるように左右に裂かれ、一本の道を形成し、海面に突き出したサメのひれのようにこちらへ向かってくることにヴォルティス卿は気付く。

すわウィル達か?と身構える偉丈夫だったが、なんだか様子がおかしい。

本人はあんまり自覚していないが、ヴォルティスが歩く際に怯えと畏怖で道を開けるような形ではない。なぜか皆が皆、もともとそちらに用事があったように、自然に足を運び、結果的に大通りの中央に異様な一本道が現れているのだ。

そして、前を歩いていたロベリアも同様に脇へ逸れると同時。

本日二度目の軽い感触が、低い位置で炸裂した。

「べぶッ!!」

という、潰れた声とともに石畳の上に転がったのは、意外にも知人だった。ただし一方的に知識として知っているというだけで、面識はそんなにないはずだ。

白。

老人の白髪のような濁った白ではなく、絹のような滑らかで雪のように白い髪を持つ、少女。

足首までありそうなぶかぶかのコートを石畳の上に広げ、金銀妖瞳(ヘテロクロミア)が特徴的な二つの大きな眼を白黒させていた少女は、ヴォルティスを視認すると()()()()()()()()

「《戦神》……!あぁもうッ、これだから無駄に《持ってる奴》は嫌いなのよ!無意識に『私』の力を跳ね除けるくらいの心意を垂れ流しやがって!」

「??」

おや?と閣下は首を傾げた。

おかしい。この少女はこんな言動をする人格構成をしていただろうか。

眉根を寄せる大男を放
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