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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
三十話 Limit speed「×1」
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あれ?でも、それじゃさっきのもそうなんですか?でも……」
「その一種ではあるだろ、けど、詳細はわかんねーな。まぁ彼奴も出場選手なんだ、一から十まで俺に教えるとは思えん」
「あ、確かにそうでした!」
「気の所為かな、今ナチュラルに俺が出場選手だって忘れてなかった!?」
「えへへ……」
「笑ってごまかそうとしないでね!?」
八重歯を見せながら可愛らしく笑うリオに、ライノが必死にそう叫ぶ、その様子に困ったような顔をするアインハルトがヴィヴィオを見ると、彼女は一心に祈るように目を閉じ、手を組んでいた。
「ヴィヴィオさん……?」
「お兄ちゃん……頑張って……」
小さく漏れ出すように紡がれたその言葉、その手は少しだけ震えていて、いつもの元気いっぱいな彼女からは想像もできないほど弱弱しい。
「(ど、どうしよう……)」
何か言葉を掛けなければ、そう思いはするのだが、いかんせんアインハルトには人を「励ます」という経験が殆ど無い為、どう言葉を掛ければいいのかが分からない。コロナやリオに頼りたいが、彼女達は試合に集中しているし頼って良いものか分からない。ウェンディやディエチも、何やら試合を分析して話し込んでいる、こんな時にすぐに気の利いた言葉が浮かばない自分を、今だけはアインハルトは本気で恨む。
『手』
「ッ!?」
突然、念話が脳内に挟み込まれる誰のものかを確認する間もなく、彼女は反射的にヴィヴィオの手を握っていた。
「……っ、アインハルトさん……?」
「あ、その……」
つい反射的に言われるがままになってしまったが、ここからどうすればいいのか、先ほどの念話の主に頼ろうとしたが、すでに声は聞こえない。気が付くと、パニックのあまりか、あるいは実は言いたいことがあったのか、口は自然と動いていた。
「……大、丈夫です。だから……その、最後まで、見ていましょう」
「…………」
今、なにげに凄く無責任な事を言わなかっただろうか?というか、何か少し説教臭くなったような……
「あ、その、すみません偉そうなことを……」
「えっ?あ、いえ、そんな事!ありがとうございます!そうですよね……ちゃんと、最後まで見なきゃいけないですよね、ありがとうございます!」
「あ、はい……」
よかった、何とか自分は彼女を元気づけることが出来たらしい。正直なんといったのかよく覚えていないが、よかった……
「(……不器用だねぇ)」
彼女の視線の外では、ライノがリオと話しながら内心で苦笑していた。
────
「(やっぱり、あれでも対応出来るんだ、凄いな……)」
オプティックハイドで姿を隠したまま移動し、クラナを観察するクレヴァーは八体の幻影を相手に一発も食らうことなく立ち回る対戦相手を見ながら内心で舌を巻いていた。あれが自分ならとう
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