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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
三十話 Limit speed「×1」
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しかしなんというか、にわかに驚くべき話だ。これまで出会ったどんな魔法使いでも、事敏捷という部分でクラナにかなう相手はそうそう居なかった。代表的なのはフェイトだが、あの人は元来スピードと攻撃力に特化した魔法戦を主体としている上に、管理局においてもトップクラスの魔導士だ。それと同等の速度まで加速する魔法を、学内でも魔法戦技が突出しているとは聞かない彼が隠し持っていたとは……

「(とにかく、相手の手札を探る必要があるか……)」
[Fight!!]
「アル、維持したままで」
[Acceleration]
試合開始のアナウンスに会場が沸く中、ブン、と、自分の中の時間の流れが変わるいつも通りの感覚にクラナは身を沈める。と、その感覚に、どこか違和感がある事に気が付いた。ただそれが何なのか、咄嗟には気が付けず、原因を考えようとして、次の瞬間、クレヴァーの姿が目の前に現れた。

「(早……っ!!)」
咄嗟に行ったガードに、例の魔力の針が直撃する。スティングレイという名らしいそれは、おそらく防御魔法貫通の性質を持っているのだろう。察しは付いていた為手首の辺りから逸らしたかったが、その暇すらも与えてくれないほどの高速の突撃。しかし何とか防いだ。

クラナ・ディリフス・タカマチ DAMAGE 640 LIFE 5130

「ふっ!!」
即座に、攻撃の硬直を狙って半歩後退、右の正拳突きで突き返そうとする。が、それが振るわれたときには既に、レイリ―は射程外に逃れている。それどころか、次の瞬間三人に増えた。

「(またかっ!)」
相変わらず全てから気配がする。それが一斉に超高速で突っ込んでくる。

「───ッ!」
「っ!」
視界の端でノーヴェが、何事かを叫んだ。それと同時にクラナは左に転がるようにしてそれを避ける。その瞬間。

「ッ!(そうかっ!)アルっ、加速解除!!」
[Roger]
世界のを見つめる感覚が、元の時間軸を取り戻す。その瞬間だった。追撃とばかりに態勢を崩したクラナを追おうとするクレヴァーの動きが視界の端に“はっきりと見えた”。そこに、先ほどまでの速さはない。普通に運動を苦手とする彼が普段見せる、相応のスピード。

「せぁっ!」
「っ!?」
次の瞬間、クラナは崩れた体制から両手を地面について、一気に体を回転させる。広げた両足が旋回蹴りとなってクレヴァーの腕を打った。

クレヴァー・レイリ― DAMAGE 820 LIFE 11180

衝撃によって後退したレイリ―から、即座にクラナが離れる。距離を取って様子をうかがう彼に、アルが問うた

『相棒、今の指示は……!?というか、相手の魔法の正体が』
『いや、俺も正直予想外だった。ローリングしなかったら気が付かなかったよ。ノーヴェさんにも感謝だ……危なかっ
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