577部分:第八十三話 カルカッタにてその一
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第八十三話 カルカッタにてその一
カルカッタにて
ムウ達はいよいよカルカッタに入ろうとしていた。聖闘士達の表情も変わってきていた。
「明日よね」
「そうよ、明日よ」
「いよいよよ」
また牛車のほろの中で青銅の四人が話をしていた。
「出て来るからね、連中が」
「そうなのね、じゃあ正念場ね」
「本当に」
「わかってると思うけれどね」
「いいね」
その四人にまた魔鈴とシャイナが声をかけてきた。二人は今は水をゼラチン状に固めたそれの上に休んでいる。青銅の四人もその上にいる。
これは小宇宙を使って水を固めたものである。それをクッションにしているのだ。涼しくそれでいて柔らかい。そしてその中にフルーツを入れて冷やしてもいる。
「死ぬんじゃないよ、絶対にね」
「それだけはね」
「ええ、わかってるわ」
「それはね」
四人も真剣な顔で二人に返す。
「何があってもね」
「勝って。そして」
「生きて帰るわよ」
「何があってもよ」
こう言ってそうして戦いに向かうのであった。それが今の彼女達であった。
その夜カルカッタの手前の村に入ったところで。一行の前に彼が現われた。
「間に合ったな」
「うわ、遂に」
「遂に出て来られたわね」
「そうね」
青銅の四人はその彼の顔を見て驚きの声をあげた。彼こそは。
「アイオロス様ね」
「遂に御登場ね」
「本当に」
「おいおい、私は何なんだ?」
アイオロスはそんな彼等の言葉に軽い苦笑いで応えた。彼の服は実にラフな格好である.普通のシャツにジーンズといったいで立ちである。
「別に幽霊でも何でもないぞ」
「けれど。黄金聖闘士ですし」
「しかもサガ様と並ぶ黄金聖闘士のリーダー格」
「教皇様の両腕の一つでして」
サガとアイオロスはまさに教皇シオンの両腕とも呼ばれているのだ。そしてシャカが今ではシオンの頭脳とさえ呼ばれるようになっているのである。
「そんなお方ですから」
「やっぱりそりゃ」
「ねえ」
「物凄い美男子だし」
「顔は関係ないのではないか?」
アイオロスはそのことにも突っ込みを入れた。
「別にな」
「いえ、お顔だって物凄くご立派で」
「凛々しいし。それに」
「気品もおありで」
「弟君のアイオリア様も美男子ですけれど」
彼も、というのだ。
「アイオロス様は大人の風格もありますし」
「もう何て言ったらいいのか」
「わからない位ですよ」
「まあその位にしておきな」
「いいね」
ここで魔鈴とシャイナがいい加減に四人を止めた。
「言ったらきりがないからね」
「これでね」
「うっ、そうなの」
「これで終わりなの」
言われた四人は少しバツの悪そうな顔になった。
「ま、まあそれ
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