第1章
旧校舎のディアボロス
第11話 幼馴染み、怒ります!
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明日夏兄に陽動を言い渡された私は現在、教会の裏方面の林にやってきていた。
明日夏兄の予想だと、私たちが裏側から来ると予想した堕天使がここで待ち伏せている可能性があるとのこと。それを引きつけるのが私の役目。
「ッ!」
誰かの気配を感じられた。
私は気配を消して身を隠しつつ、気配を感じたほうへ向かう。
「ハァ〜、退屈ぅ。どうしてうちが見張りなんてぇ」
そこには、木の枝に座り、何やら不満を漏らしている金髪の少女がいた。
金髪と服装から、明日夏兄から聞いたミッテルトという名の堕天使の特徴に一致した。
確認できたのは、そのミッテルト一人。
もしかしたら、敵を見つけると同時に他の堕天使が来るのかもしれない。
そう判断した私は、少し揺さぶるため、彼女に向けて冬夜兄が私のために特注してくれた弓、黒鷹を構える。
当てないように照準を合わせ、矢を射る!
ドスッ!
「ひぃっ!?」
射った矢は、真っ直ぐ飛んでいき、堕天使の顔をかするように木に突き刺さった。
そのことに驚いたミッテルトは、マヌケな声を出して仰天していた。
「だ、誰だゴラァ!?」
怒声を放つミッテルトに見つからないように身を隠す。
「この野郎! 出てきやがれ!」
ミッテルトに見つからないように場所を移動し、もう一回矢を射る!
「にょわっ!?」
今度も当たらないように射ったため、彼女の顔面スレスレで矢は外れた。
「クッソォ! 裏から来ることは予想してたけど、まさか、こんなふうに不意打ちしてくるなんて!?」
憤るミッテルトをよそに、私はもう一度黒鷹を構える。
パァァァ。
すると突然、紅い光を放つ魔法陣が現れた。
そして、魔法陣から部長と朱乃さんが現れた。
「・・・・・・やっと出てきたか・・・・・・ンンッ」
私のことを部長たちと勘違いしたミッテルトは、一度咳払いし、礼儀正しく振る舞い始める。
「これはこれは。わたくし、人呼んで堕天使のミッテルトと申します」
「あらあら、これはご丁寧に」
「ていうか、さっきから不意打ちばっかしやがって、この卑怯者!」
「? なんの話かしら? 私たちはたったいま来たとこなのだけれど」
「しらばっくれんな! あの矢はあんたらのもんでしょうが!?」
部長はミッテルトが指し示した私が射った矢を見る。
「あの矢は──なるほどね」
前に黒鷹の矢は見せているので、部長は私がここにいることに気づいたようです。
部長たちが来れば、十分に陽動になるだろうと考えた私は、部長たちのところに姿を現す。
「あら、千秋。姿を現して大丈夫なの?
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