いざ、王の間へ
[3/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
るで巨大な鉄球のようになり、本来飛行タイプにとっては受けないであろう頭上からの一撃を浴びせる。ガラスが割れるような破砕音が響き、攻撃を終えたマリルリは後ろに飛びのいて、ジェムの元に戻ってきた。
「ご苦労様、ルリ。良い動きだったわ」
自分のポケモンを褒め。体が冷たくなっていることは理解した上で抱きしめようとする。だがそれは油断だった。ジェムが触れようとした瞬間、マリルリの水風船のような体が凍り付いていく。
「え……まさか、まだ!?」
こんなことが出来るのは、当然フリーザーしかいない。伝説のポケモンといえど、マリルリの強化された攻撃を受けて倒れない道理はないはずだ。だがその理由は、再び翼を広げたフリーザーを見てはっきりする。
フリーザーの周囲には、大粒の氷塊が散らばっていた。そしてさっきのアクアテールは、ガラスが割れるような音がしていた。それをジェムはアクアテールが凍り付いた故だと思っていたが、それだけではなかった。音の正体はフリーザー自身が作り出した氷の『リフレクター』が破壊される音だったのだ。『リフレクター』によって『アクアテール』の威力は殺され、とどめはさせなかった。
そしてマリルリを凍り付かせたのは『フリーズドライ』。本来氷タイプの技は水タイプには効果が薄いが、この技は水を凍らせるための技ゆえ、逆に抜群の威力になる。
「ごめん、ルリ。後で治してあげるね……」
氷漬けにされてしまったマリルリをボールに戻す。すぐにでも道具の氷直しを使ってあげたいが、今はフリーザーを倒さなければいけない。ドラゴンタイプのあるラティアスは出したくない以上、出すポケモンは決まる。
「もう一度お願い、クー!『ラスターカノン』!」
クチートをボールから出し、大口から鈍色の光弾を発射させる。フリーザーも『冷凍ビーム』を吐き出し相殺した。相手の方が威力が高く、勢いに押されて前へ進めないクチート。
その隙にフリーザーはゆっくりと上昇する。そして――単なるプレッシャーとは違う、殺意のような眼でクチートを見つめた。行動の意図はジェムにはわからない。だが二人は尋常でない雰囲気を感じ取り、咄嗟に再びのメガシンカをさせる。
「『十万ボルト』ッ!!」
メガシンカした状態でなければ使えない遠距離の雷撃。速攻性のある一撃はフリーザーが次の行動を起こす前に体を焼き、今度こそ倒した。ヴァーチャルで出来たフリーザーの体が消えていく。
「危なかった、ね……」
クチートのメガシンカを解く。ジェムは知らないが、もし今ので倒せていなければ『心の眼』によって回避不可能となった一撃必殺の技『絶対零度』が飛んできていた。それを回避できたのは、ジェムの才能だろう。
ともあれクチートをボールに戻し、マリルリに氷治し
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ