暁 〜小説投稿サイト〜
フロンティアを駆け抜けて
いざ、王の間へ
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維持されている間にジェムはポケモンを交代し、さらにシンカさせる。

「クー、翼に『冷凍ビーム』よ!」

 メガシンカによって一回り大きくなったクチートがシンカの象徴である二口から二本の冷凍ビームを放つ。霧の中であっても、サンダーの巨体のシルエットは浮かび上がっている。正確にサンダーの両翼に直撃した光線は、翼を凍り付かせ地に落した。地響きの音がすると同時に、クチートは前へ飛び出す。飛行タイプのサンダーに氷の技は効果抜群とはいえ、『充電』によって特殊防御の上昇したサンダーが二発で倒せるとは思えない。
翼を凍らされたサンダーは口から『電磁砲』を放つが、霧に阻まれて姿の見えないクチートに命中させることなど出来はしない。

「『じゃれつく』で止め!」

 二口がジャックナイフのように振り回され、大槌のようにサンダーの体を上からたたく。凄まじい叫び声が響いたかと思うと、サンダーの体はすっと消滅した。どうやら倒せたようだ。

「倒せたけど、結構技使っちゃったね……」

 特性『プレッシャー』により技を放つのにより力を入れなければならない。特別な技ゆえに連発できない『ミストボール』やそもそもメガシンカしなければタイプ一致以外の遠距離技が使えないクチートの『冷凍ビーム』は後一発が関の山かもしれない。
最終層は、今までのような迷路ではなかった。曲がり角は基本的に一本道である。自分とポケモンの足音以外何もしないことが、ここにいるトレーナーは自分一人だと教えてくれた。
何本目かの曲がり角を曲がる直前、冷凍庫を開けた時の数倍の冷気が襲ってくる。反射的に後ろに下がって、角の向こうを覗いてみると、すぐ近くにまたしても伝説の鳥ポケモン、フリーザーが翼を広げていた。明らかにジェムを待ち構えている。

「ルリ、お願いね」
「ルリィ!」

 マリルリの体力を確認して、2人で前に出る。対面すると今まで動き回って熱くなっていた体が急激に冷えていくのを感じた。長期戦では自分の体力も持っていかれそうだ。

「いつも通りいくよ、『アクアジェット』!」

 フリーザーの口に一際強い冷気が溜まっていくのを理解したうえで、マリルリは尻尾から水を噴射する。『冷凍ビーム』を受けながらも、水タイプであり、また分厚い脂肪を持つマリルリには効果は薄い。勢いのまま一気にフリーザーの正面へととびかかる。

「せーの、ジャンケン、『グー』!!」

 バトルピラミッドを回りながら鍛えた、『腹太鼓』を応用して拳一本に攻撃力を集約させた『じゃれつく』が伝説のポケモンを地面に叩き落とす。空中で宙返りした時には、マリルリの尻尾は何倍にも膨らみだしていた。『アクアテール』で一気に終わらせるつもりなのだろう。
巨大な水球は極度の冷気によって凍り付きま
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