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星がこぼれる音を聞いたから
9. パンプキンパイと深煎りコーヒー
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ワイ? どういうこと?

「まぁいい。それで、ちゃんと彼女には伝えたのかな?」
「……伝えました」
「へ? あたしに? 何を?」

 う……マズい。店主と隼鷹の視線が痛い。店主は俺のことをジト目で……隼鷹ははてなマークを瞳の中に湛えた眼差しで俺をじっと見てくる。……人に注目されることがこんなに心にキツいことだとはまったく思ってなかった……。

 『話が違うじゃないか……』とでもいいたげな、店主のジト目。じとっとした眼差しでこっちを見つめ、店主は俺に対して無言の抗議を行っているのが分かる。人に見つめられてこんなにプレッシャーを感じたのは、イタズラが見つかって母親からジッと睨まれたとき以来だ……。

「……どういうことかな?」
「い、いやあの……伝えたことは伝えたのですが……本人、それを聞いて笑ってしまいまして……」
「ほう……」
「へ? 提督、あたしに何か言った?」

 そんな『あたし、何も聞いてないんだけど?』みたいな顔で俺を見るなッ! 確かにお前じゃなくて飛鷹だと思って口走っちゃったけど、伝えたことに変わりはないじゃないかッ!

 店主は昨日のように顎に手を当て、真面目な顔で考え込み始めた。よかった……あのジト目は俺の胃と心臓に悪い。開放されてホッと一安心だ。

「……とりあえず、ポリッシュと布はお返しします」

 ともあれ、まずはこのポリッシュと布を返さないと……

「ぁあすまん。ありがとう」

 考えこんだ顔のままだったが、ハッとした店主は俺からポリッシュと布を受け取ってくれた。受け取ったポリッシュと布は、そのまま店主の腰元に置かれる。

「ふむ……」

 俺と隼鷹の顔を交互に見比べ、ジッと考えこむ店主。なぜだろう……やっとジト目から開放されたというのに、まったく生きた心地がしない。店主にじっと見つめられる度、緊張で心臓がギリギリと締め付けられていく。

 隼鷹は隼鷹で、コーヒーをずずっと飲みながら頭にはてなマークを浮かべているが……隼鷹からしてみれば、今この状況が一体何なのかさっぱりわからないだろう。

「……まぁ、良しとしようか」

 ほっ……全身が安心していくのを感じた。

「ありがとうございます……」
「ただ……もう一度キチンと伝えるべきだな」
「え……」

 冷や汗が止まらない……もう一度、隼鷹の目を見てキチンと伝えなきゃいかんのか……『星が聞こえる音が聞こえる』だなんてドン引きされなきゃいいが……

「自信を持ちなさい」
「……」
「彼女は君の元に帰ってきたんだろう?」
「はい」
「なら大丈夫だ」
「……」
「それに、君は意外と本音が口から漏れやすい。今伝えずとも、遅かれ早かれ自分からボロボロと本音をこぼすだろう」
「う……」
「そうなる前
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