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普通だった少年の憑依&転移転生物語
【ハリー・ポッター】編
169 ギルデロイ・ロックハート
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です!」

(……闇の魔術に対する防衛術≠フ講師ならそうだろうな…)

俺の当たり前過ぎる脳内のボヤキだったが、態々(わざわざ)ミニテストで良い点数を取って良くしたロックハートの機嫌を損ねるのもアレだったので、お口にチャック。

「君たちはこの教室でこれまでにないほどに恐ろしい目に遭うかもしれない──ただし、私がここに居る限りは、何ものも君達に指一本触れさせない事を約束しましょう。……ただやつら≠刺激してはいけない。……どうか静粛に…っ」

ロックハートは布の縁に手を掛けて、籠を覆っていた布を一気に取り去った。

「コーンウォール地方のピクシー妖精だ」

「なんだ、ただのピクシー妖精?」

()ってはいた事なのだが、布と籠の中に閉じ込められていたのは──やはりと云うべきか、ピクシー妖精だった。シェーマスはハーピーの幼体でも出てくるとでも思っていたのか、がっかりとしている。

……シェーマス以外の皆もロックハートの事を(あざけ)るような態度である。

しかし、それはロックハートが欲しかったリアクションではなかったようだ。

「どうやら皆さん、ピクシー妖精を侮っているようですね」

「だってたかがピクシー妖精ですよ?」

「侮ってはいけませんよ。連中は実に厄介です。たかがピクシー妖精≠ニ侮れるその手腕、拝見させてもらいましょう!」

ロックハート籠の口を開ける。……ピクシー妖精は次々に籠から飛び出て来て、あっという間に教室をピクシー妖精の群青色が埋め尽くす。……控えめに云っても鬱陶しい。

「たかがピクシー妖精≠ナしょう?」

俺、アニー、ハーマイオニーは本で物理的に叩き落としたり麻痺呪文≠竍全身金縛り魔法≠ナ対処していたがいかんせん数が多すぎる。1分も経過しないうちに教室内はひっちゃかめっちゃかとなり──ロックハートはある程度溜飲を下げたらしく…。

(……成功させるか?)

映画≠謔阮ウ能じゃないと良いなぁ≠ニ云う希望的観測だが──それはすぐに裏切られる。

「ピクシー虫よ去れ(ペスキピクシペステルノミ)=I」

……何も起こらない。……それどころか杖を奪われ、窓の外に捨てられる始末である。

「君達、ピクシー妖精を籠に詰めておくこと」

ロックハートは俺達にそう言い残し、奥に引っ込んで行った。皆はもう教室から退散している。

「……はぁ…」

余りの前途多難さに、ため息が出たのはハーマイオニーがピクシー妖精に縛り術≠掛ける数秒前の事だった。

SIDE END
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