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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
573部分:第八十二話 嵐を前にしてその四

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第八十二話 嵐を前にしてその四

「あの方の場合はね」
「何かもう何でも召し上がりそうだけれど」
「っていうか黄金聖闘士は全員そうだよ」
「何でも食べるよ」
 こう述べるのであった。
「だからね。ムウもね」
「それ位は普通にだよ」
「ううん、それでも何かイメージが崩れるっていうかね」
「そうよね」
 青銅の四人はムウに抱いているその思いを気にしているのである。それでこう言うのである。つまりはイメージの問題ということである。
「ムウ様ってやっぱりお優しくて」
「そして気品があって優雅で」
「いつも微笑みを讃えておられる」
「そんな方だから」
「ねえ」
 まさにそれが彼女達のムウのイメージであった。
「ドリアンとかあれとかは」
「イメージじゃないから」
「だからね」
「そうそう」
「そう思うのはあんた達の勝手だけれどね」
 それははっきりと言った魔鈴だった。
「人の食べ物の好みなんて十人十色だよ」
「それぞれっていうのね」
「それは」
「そうだよ、それも個性なんだよ」
 まさにそれだというのである。
「個性だから気にすることはないんだよ」
「そうなの。それじゃあ」
「私達も」
「結局のところそういうことさ」
 それだけだというのである。
「食べ物の好みもね」
「そういうことなんだよ」
「そうなんだ」
「結局のところは」
 そうしてであった。彼女達は納得した。そうして今はマンゴーを食べるのだった。
 その冷えたマンゴーは実に美味かった。冷えて甘い果物程美味いものはない。それを食べてであった。それぞれ感想を述べた。
「やっぱり美味しいね」
「そうよね」
「暑いから余計に」
「このお水も」
 水もあった。それを飲むと余計にだ。
「あれっ、このお水も」
「美味しい」
「すっきりしてるし」
「それは一旦沸騰させてね」
「それでそれから冷やしたんだよ」
 そうしたというのである。
「だから美味いんだよ」
「沸騰してそれから冷やしたからね」
 それで美味いというのである。その水もだ。
 そしてジュネがふと。こう言った。
「そうそう、ムウ様もね」
「そうよね」
「私達で食べるのはあれだしね」
「ええ、本当に」
 その言葉にクレウサとカサンドラとスカーレットが応える。
「だからムウ様にもね」
「食べてもらいましょう」
「是非ね」
「ああ、それはいいよ」
「ムウはね」
 しかしここで魔鈴とシャイナが言うのだった。

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