何やってんだ
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やくわかった。
「あ、シリル。口に水が・・・」
殺気の沸き上がっている少女に恐怖を抱いていると、彼女が身を乗り出し持っていたハンカチで口元を拭ってくる。
「ちょっ!!ウェン――――」
客を差し置いて何をしているのかと注意しようとしたら、物凄い目で牽制されて声が出せない。蛇に睨まれたカエル状態になっており、されるがままでいるしかない。
「二人は仲いいのね」
「フフッ、可愛いわ」
仲間外れにされて機嫌を悪くしないかと二人の様子を観察すると、彼女たちはまだ幼さが残る二人がじゃれているのを見て癒されているみたい。もしかしたらBLっぽく見えているから嬉しそうなのかもしれないけど、本当はその真ぎゃ・・・いや、恋人同士のじゃれ合いなんだけどね。
「ウェンディ、もう大丈夫だから」
お客がいいからいいのかもしれないと一瞬思ったけど、これ以上は仕事に差し支える。そう判断した俺は彼女の耳に小声でそう呟き、押し返そうとする。
「シリルはあっちの方がいいの?」
しかし、彼女は顔を近づけたまま、お客さんには聞こえないように小さな声でそんなことを言ってくる。
「そんなわけないじゃん。ウェンディが一番だから」
「だって・・・」
自分の胸に手を当てて顔をうつむけるウェンディ。だけど、これはあくまで仕事なわけで、相手が綺麗な大人だからとか、胸が大きいからとか全然気にしていない。俺にとってはウェンディが一番大切な存在だから。
「後で言うこと何でも聞くから!!ね?」
「それならいいよ!!」
両手を合わせ懇願すると彼女は納得してくれたらしく体を引っ込め元の位置へと腰掛ける。
「何何?二人は怪しい関係?」
「えぇ!?」
元の状態に戻したかと思ったら、そのまま仕事に戻れるような生易しいことはあるはずなかった。俺の右隣、つまりウェンディとは逆の位置に座っている女性がさっきのやり取りの長さで何かを感じ取ったようで、ニヤニヤしながら問い掛けてくる。
「二人とも可愛いから、私はアリだと思うなぁ」
「えっ・・・と・・・」
酔いすぎて思考がおかしくなっているのか、はたまた元からこうなのかわからないけど彼女の脳が腐りかけていることは何となく理解できた。助けを求めようとウェンディの方を見ると、彼女はすでに違う女性と盛り上がっており割り込んでいくことができそうにない。
「いやいや、そういうのじゃないですよぉ。お客様はいい人いないんですか?」
こうなったら自分で乗り切るしかないと、適当に否定して話題を反らしに掛かる。
「えへへ♪実はね・・・」
それからたくさんのお客さんの相手を終え、営業終了時間っとなった
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