何やってんだ
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ぇ、そんなとこじゃなくて真ん中に来なよ」
「へ?」
言われてから気付いたが、俺がいる位置は二人の真ん中ではなく端の部分。そのため、片方のお客さんとは会話しやすいけど、もう片方のお客さんとは距離が離れている格好になっている。
「じゃ・・・じゃあ失礼して・・・」
断るのもおかしいので言われた通り二人の間へと腰掛ける。しかし、これが思わぬ事態を生むことになるとは、俺には全く予想できていなかった。
「あ!!近くで見ると肌も綺麗ね!!」
「!?」
不意に頬を触られ体がビクッとなってしまう。だが、それに相手は気付いていないようで、まるで人形でも観察するかのような視線で俺の顔をマジマジと見ていた。
「え?あの・・・」
吐息が当たるのではというほどに顔を近付けてくる女性に思わず後退りする。しかし、今の俺は間に挟まれているわけで・・・
「やだぁ!!緊張しなくて大丈夫!!」
「ヒャッ!!」
後ろにいたもう一人の女性に抱き締められ、動きを封じられてしまった。
「お!!お客様困ります!!」
「いいじゃんいいじゃん!!」
「これくらい大丈夫だって!!」
こんな仕事したことないからボディタッチがどこまで許されるのかわからないけど、二人は気にしちゃダメとふくよかな胸を押し寄せてくる。お客さんだから邪険に扱うわけにはいかないし、柔らかい感触と香水の匂いで飲んでもいないのに酔ってきてしまう。
「こちらの席、よろしいでしょうか?」
なんかもうどうでもよくなってきたところで、救いの神がやってくる。いや、救いの神というより、救いの女神か?
「あれ?あなたも新入りさん?」
「はい!!そっちの子と一緒に入りました」
俺と同じ程度の決して高いとは言われない背丈。腰元まである長い藍色の髪を縛り、胸を張って堂々としている――――
「ウェンデルです。よろしくお願いします」
どう見ても男装した女の子にしか見えない天空の巫女がそこにはいた。
(何やってんだウェンディ!!)
思わず叫びそうになった言葉を懸命に呑み込み、最初に俺が座っていた位置と反対の位置に腰掛けるウェンデル。似たようなタイプのホストの登場でどうなるのかと観察していると、ウェンデルの隣の女性が彼?に興味を示している。
「あなたも可愛いわね」
「ありがとうございます」
そりゃあ元々美少女なわけだし、可憐な見た目になるのは至極当然なこと。だが、彼女の目を見た瞬間、あることに気付いてしまった。
(ウェンディの目・・・笑ってねぇ!!)
笑顔で対応しているかと思っていたら、彼女の目は明らかにその表情とは真逆になっていた。俺にくっついていた二人を見てジェラシーが燃え上がったらしく、ここに乱入してきたというのがよう
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