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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
572部分:第八十二話 嵐を前にしてその三

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第八十二話 嵐を前にしてその三

「やっぱりね、何ていうか心の準備ができてないし」
「だから。それだけはね」
「悪いけれど」
「まさか」
 そしてこうも思うのだった。
「今ここにあるとか」
「それはないわよね」
「幾ら何でも」
「ああ、ないわよ」
「マンゴーだけだよ」
 やはりそれはないというのである。そのドリアンはだ。
「だから気にしないでいいから」
「安心していいよ」
「そう、よかった」
「それならね」
「安心できるわ」
 四人はそれを聞いて納得するのであった。
「それならね」
「ほっとしたわ」
「あれは匂いが凄いしね」
「あんまりだからね」
 それが理由なのだった。ドリアンが何故悪名高いかというとその匂いのせいなのである。果物の悪魔とまで言う人間がいる程なのである。
「だから止めたんだよ」
「それでよかったみたいだね」
「ええ、本当に」
「あれだけは」
「御免ね」
「けれどあれだよ」
「ムウはね」
 しかしここでムウの名前が出て来た。
「ドリアンが大好きなんだよ」
「あれでね」
「えっ!?ムウ様が」
「あの果物大好きって」
「本当の話!?」
 四人はそれを聞いて表情を一変させた。
「あのドリアンを」
「嘘でしょ、それ」
「あんなのを」
「他にも納豆とかも好きだよ」
「それに、あのスウェーデンの」
「そうそう、あれだよね」
「そうだよ、あれだよ」
 話がさらに恐ろしい方向に向かう。スウェーデンといえばまさに最終兵器とまで呼ばれている代物があるのだ。あの北の国にもである。
「あれも好きだよね」
「あの缶詰ね」
「アフロディーテ様の御国にあるあれって」
「そうよね、あれしかないわよね」
「あの缶詰の」
「一つしかね」
 四人はすぐにわかった。それが何かが。
「あれもお好きなの」
「っていうか」
「匂いが凄いのばかりじゃない」
 そのことに唖然としているのであった。
「じゃあムウ様ってあれで」
「ゲテモノもいけるのかしら」
「みたいね」
「間違いなく」
 そのことがわかったのである。
「シャカ様なら何となくわかるけれどね」
「そうよね、あの方ならね」
「普通に食べそうだけれどね」
 ある意味シャカへの認識はかなりのものだった。

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